簿記の分類
単式簿記と複式簿記
単式簿記とは、1つの科目に限定して取引を記帳していくものです。これは、とても身近なもので、おこづかい帳や家計簿などがこれにあたります。
複式簿記とは、取引の二面性に着眼して記帳していくものです。通常、簿記といえば、こちらの方を意味します。会社や事業所が複式簿記を採用することによって、確定申告の青色申告55万円控除(電子保存帳簿または電子申告採用の場合は65万円)が受けられるため、非常に重要視されるのです。
例えば現金を銀行から払い戻した場合、銀行の預金が減る代わりに、現金が増えます。このとき、預金が減った+現金が増えたという2つの事柄が起きます。これを取引の二面性といいます。
簿記上の取引
通常の取引と簿記でいう取引(簿記上の取引)と意味合いが異なる場合があります。帳簿に記入して初めて簿記といえるので、帳簿に書くことができないものについては、簿記上の取引となりません。
「これから売買契約の取引を開始するために契約書を交わした。」というものは、財産が動いたり、儲けたりしているわけではないので、簿記の取引にはなりません。
そして、借りてた借金を返すという口約束も簿記上の取引とは言いません。
簿記の種類
簿記の種類は1種類ではなく、その使われる現場によってたくさん種類があります。
①商業簿記
世間一般的に簿記といえば、これです。
会社やお店、個人事業主など商行為を行う場合に使われるための簿記です。3級には商業簿記しかありません。簿記の世界は、ここから始まるのです。
②工業簿記
製造業の会社や工場などで使われるのが工業簿記です。
材料の仕入れから製品の完成までの製品の製造過程を簿記で表します。どの製造部門にどれだけコストがかかったかなどが把握できるので、経営者の意思決定を左右するものといえます。
工業簿記は、2級からの出題となります。
③その他の簿記
他に銀行簿記、農業簿記、漁業簿記、建設業簿記などがあります。
最近、注目されているのは建設業簿記です。その資格は建設業経理士と呼ばれ、1級・2級取得者については、建設会社が公共事業の入札を行うときの判断材料の一つとされます。
使われる科目は建設業独特なものもありますが、合格率は大体同じぐらいです。
建設業関係に就職したい方は、この資格を取得するのもいいですね。