エンディングノートとは?
私も、この仕事をするまでは、『エンディングノート』の名前を知っているだけで、これは自分に関係ないものだと感じていました。
エンディングノートは、自分の出生(過去)から自分の死後(未来)までを綴る希望のノートです。
・今までの自分を振り返る思い出のアイテム
・現在の交友関係、財産、健康状態などを書き留めておく少し立派なメモ帳
・これからの人生のあり方を考える羅針盤
・自分にもしものことがあったとき、家族や大事な人へのメッセージノート
エンディングノートは、自治体や団体が無料配布しているもの、市販のものなど、さまざまな種類のものがあります。
中には専門家の便利な解説・コラムがついているアルバム形式の数千円の値段のエンディングノートも販売しています。
初めての方には、読みながら書き進めることが出来るのでとてもいいものだと思いますが、とにかくボリュームがありすぎるのが難点でもあります。
エンディングノートの完成後は、大事な人に見てもらうためのものになるので、その解説やコラムがかえって邪魔なものになっています。見たい部分を探す手間がかかるのです。個人的には、好きではありません。
解説が数ページにわたっていて、専門用語が多すぎる。本当に書く人のために作っているの?というものもあります。解説が主体なのかエンディングノートが主体なのか。大体、遺族の方が他人のポエムを読みますか?ってことなんですよね。そこまでいくと、明らかに単価を上げる業者側の粗悪品です。
それなら、エンディングノートの書き方の本を購入して、1,000円程度のものを購入したほうが、実用的だと感じます。
私がお客さまにおすすめしているのは、シンプルに書けるもので、後から見ても一目瞭然のエンディングノートです。
近くの書店で売っていて、値段が手ごろでわかりやすかったので買いました。この値段ぐらいのものならおそらくたくさんあるのだと思います。ご自分に合ったものを購入いただくのが一番だと思います。
エンディングノートの内容
大体のエンディングノートの構成は以下のとおりです。
Ⅰ 自分自身のこと
①基本情報(住所・氏名・生年月日・血液型などのパーソナルデータ)や履歴(学歴・職歴)、健康状態(既往症、アレルギーの有無、かかりつけ医、服用薬など)
②預貯金、保険、年金などの資産やローン・生活費の引き落とし先などの財産一般の記録
③クレジットカード、運転免許証、健康保険証などのカード情報
④電子マネー、インターネット・SNSのIDやパスワードなどの電子情報
⑤家族・親族・友人・知人・サークル・所属団体などの交友関係
⑥趣味・好きなもの・大切なもの、自分史、今までの思い出など
Ⅱ 将来のこと
⑦介護・看護・告知・終末期を迎えたときの医療方針など
⑧葬儀・お墓・納骨・法要など
⑨遺言・遺産の分け方・遺品整理について
⑩ペットの飼育方法や健康状態など、自分にもしものことがあったときに引き継いでもらうために記入するもの
Ⅲ 大切な人へのメッセージほか
⑪自分から家族など大切な人への感謝の気持ちや最期のメッセージなど
⑫そのほか気になることなどメモの欄
こんな人におすすめ
・比較的若い方には、SNSやインターネットのID・パスワードの登録が多すぎて、どれがどれだかわからなくなってしまうのでメモ帳代わりにできます。また、財布を無くしてしまったとき、カード会社や警察署に届けるために必要な免許証・保険証などのカード類の番号を記入しておくこともできます。
・おひとりさま世帯の方には、「孤独死」や「孤立死」を防ぐための連絡帳に使えます。
孤独死:家族など誰にも看取られずに自宅で亡くなってしまって、誰かの手助けがあれば助かったかも知れない不本意な死のことをいいます。
孤立死:1人暮らしの人が社会・地域から孤立した状態で死亡したときや劣悪な環境で死亡したときの不遇の死のことをいいます。
・結婚して世帯を持ったとかお子さんが生まれたなど家族が増えたとき、その家庭の大黒柱の方には、今後の道しるべ(ライフプラン)として使っていただくことが出来ます。あってはならないことですが、30代、40代の突然死もよく聞きます。自分にもしものことがあったときのおまもり代わりに…。
・第2の人生を歩まれているお年寄りの方には、『終活』のアイテムとして…。これが広く一般的に広まっている『エンディングノート』の使われ方です。
このように、『エンディングノート』は全ての年齢層に必要なノートとして、今後、注目されるアイテムなのです。