当座預金とは？
当座預金は、商売を行うための専用の預金です。
取引銀行と当座勘定契約をすることによって、小切手や手形を発行できる代わりに利息は付きません。
小切手は、預金残高の範囲内で、取引先に発行できる有価証券（金券）です。
小切手を発行することを、小切手の振出といいます。そして、その振り出した人のことを振出人といいます。
商取引のため小切手が振り出されると、受け取った人（会社）は、銀行へ行って換金します。そして、その発行した小切手の金額が、振出人の当座預金口座より引き落とされます。
また、当座預金も普通預金と同じく、複数の金融機関に取引があるときは、当座預金○○銀行のように表示します。
①当座預金口座に預け入れたとき
当座預金に現金を預け入れたり、当座預金に入金されたときは、当座預金（資産）の増加として処理します。
問題文で、「100円を売り上げ、代金は直ちに当座預金に預け入れた。」という文言が出てきます。実際は、売上金100円を現金で受け取って、そのまま銀行に赴き、当座預金に預け入れたことになります。
その場合、一回現金で仕訳してから、再度その現金を当座預金に預け入れするという２回の仕訳を行う必要はありません。直接、売上金100円を当座預金に入金したという１回での仕訳となります。仕訳にすると以下のとおりになります。
（当座預金）100／（売上）100
②小切手を振り出したとき
小切手を振り出したときは、当座預金の減少として処理します。
例）株）マーキュリーに対する買掛金500円の支払として、小切手を振り出した。
（買掛金）500／（当座預金）500
③当座預金から公共料金などの引き落としがあったとき
当座預金から自動引き落としがあったときは、当座預金の減少として処理します。
例）本日、今月分の水道代300円が、当座預金口座より引き落とされていた。
④自己振出小切手を受け取ったとき
小切手は、人から人へ転々と流通するものなので、振り出した小切手が戻ってくる場合があります。このとき振り出した小切手は、当座預金の減少で処理しています。それが決済されないまま戻ってきたので、当座預金の増加として処理をします。
※当座預金の減少を取り消す処理をしています。
ちなみに復習ですが、他人の振り出した小切手は現金の増加として処理します。なお、その小切手をすぐに当座預金に預け入れたときは、当座預金の増加としての処理となります。
当座借越契約
口座に残高がないのに小切手を振り出してしまうと、受け取った取引先は換金することはできず、受取人も取引銀行も困ってしまいます。このような状態を小切手の不渡りといいます。
不渡りを起こすということは、多方面に迷惑をかける行為として、取引銀行はペナルティを科します。振出人に対して、しばらく小切手が振り出せなくなったり、最悪、当座勘定取引を解除されてしまうという事態になってしまいます。
商売専用で使う口座が使えなくなるということは、お金の流れをストップされてしまうため、結果、その会社の倒産にまで発展してしまうこともあります。
そこで、そんなうっかりをなくすために、取引銀行と当座借越契約を結ぶことによって、その契約した限度額まではマイナスでもＯＫということができるようになります。
現金はマイナスになることはありませんが、当座預金はこの契約を結ぶことによって、マイナスにすることができます。（新論点）
例）株）マーキュリーに対する買掛金500円の支払として、小切手を振り出した。なお、当座預金残高は100円だったが、取引銀行と1,000円の当座借越契約を結んでいる。
（買掛金）500／（当座預金）500
2019年3月までは、マイナスになった時点で、当座借越（負債）の勘定科目を使っていました。現在は、決算時にマイナスだった時に限り、当座借越に振り替えます。
参考までに以前の仕訳は以下のとおりです。
（買掛金）500／（当座預金）100
（当座借越）400
※ただし、当座預金は資産でありながら、会計期間中（期中）は貸方の残高が多くなる場合もある。
