貸付金と借入金
企業間で資金に余裕があるときには、有効活用するためにお金の貸し借りをすることがあります。また、資金不足になったときは、銀行などから融資を受けることもあります。
このとき、お金を貸した方については、あとで元本を返してもらえる権利が発生しますので、貸付金(資産)で処理します。
そして、お金を借りた方については、あとで元本を返さなければならない義務が発生しますので借入金(負債)で処理します。
お金を貸し借りすると付いてくるのが利息です。利息を受け取ったときには、受取利息(収益)として、利息を支払ったときには、支払利息(費用)として処理します。
①お金を貸し付けたとき/借り入れたとき
例)マーズ文具店は、アルファマートに対して、現金500,000円(返済期日:1年後、年利率2%)を貸し付けた。
*マーズ文具店の仕訳*
(貸付金)500,000/(現金)500,000
*アルファマートの仕訳*
(現金)500,000/(借入金)500,000
②貸付金を回収したとき/返済したとき
例)マーズ文具店は、アルファーマートより①の貸付金について、返済期日が到来したので、元金及び利息を小切手で受け取った。
年利率の計算:500,000円×2%=10,000円
*マーズ文具店の仕訳*
(現金)510,000/(貸付金)500,000
(受取利息)10,000
*アルファマートの仕訳*
(借入金)500,000/(当座預金)510,000
(支払利息)10,000
手形貸付金と手形借入金
通常の金銭消費貸借契約は、借用証書によって契約をしますが、借用証書ではなく、手形で行う場合もあります。
その場合は、通常の貸付け(借入れ)と区別して、それぞれ手形貸付金(資産)、手形借入金(負債)で処理します。
その他の貸付け(借入れ)
福利厚生のために、会社内での従業員等に対する貸付制度を採用している場合があります。
従業員に対する貸付けは従業員貸付金(資産)で処理します。
また、取締役等の役員に対して、お金を貸し付けたり、資金として借り入れたりする場面もあります。そのときには、役員貸付金(資産)、役員借入金(負債)で処理します。
利息計算
貸付金と借入金の問題は、利息計算の論点が中心となります。
先ほどの例では1年ちょうどでしたが、3か月とか6カ月などの契約もします。
そのため、月割計算をしっかりできるかが問題を解くカギとなります。
先ほどの例で、返済期日が6か月後の場合の利息計算だとどうなるでしょうか?
利息=貸付金額(借入金額)×年利率×貸付期間(借入期間)/12カ月
500,000円(元金)×2%(年利率)×6カ月/12カ月=5,000円
上の式にあてはめると、このようになります。
この利息計算は、これから貸付金以外の論点にも登場します。月割計算なのか、日割計算なのかで全く答えが変わってきますので、しっかりと押さえておきましょう。