ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

原価の分類と工業簿記の流れ

今回は、原価計算の基礎について説明していきます。

原価の分類

原価とは、製造にかかった費用(製造費用)のことをいいますが、製品を販売するためにかかった費用(販売費)や会社や工場を管理するためにかかった費用(一般管理費)についても含まれます。商業簿記のところでも販売費及び一般管理費販管費)というのが出てきました。

さらに製造原価は、次の分類によって分けることができます。

①形態別分類

材料費:製品を製造するのにかかった材料や素材などの費用

労務:製品を製造するのにかかった賃金や給料などの人件費

経 費:材料費や労務費以外の諸経費(水道光熱費や燃料費など)

②製品との関連による分類

製造直接費:特定の製品を作るのにかかった費用が直接的に判明するもの

製造間接費:さまざまな製品に共通してかかる費用で、各製品にどれだけ使ったのかが具体的に判明しないもの

その他2級で学習する項目には「機能別分類」と「操業度との関連による分類」がありますが、これはそれぞれ、費目別計算、標準原価計算のときに説明します。

①と②を組み合わせると、それぞれ分類は以下のとおりになります。

製造直接費:直接材料費、直接労務費、直接経費

製造間接費:間接材料費、間接労務費、間接経費

工業簿記の流れ

まずは、材料費・労務費・経費がどのぐらいかかったのかを計算します。これを費目別計算と言います。形態別分類に対応した計算です。

次に材料費・労務費・経費を製造直接費と製造間接費に振り分けていきます。このとき、製造直接費に関しては、完成途中を意味する仕掛品(資産)という勘定科目を使用します。そして、製造間接費については、製造間接費(費用)を使用します。

最初の回にも言いましたが、工業簿記では、頻繁に費用でも平気で貸方に仕訳します。なので、商業簿記ほど資産・負債・収益・費用を意識する必要はありません。

 そして、製造間接費は、決まった割合に応じて各製品に振り分けていきます。このときの仕訳は、製造間接費(費用)から仕掛品(資産)に振り替えます。これを製造間接費の配賦といいます。

こう考えると、結局材料費も最終的に仕掛品にいくのでは意味がないのではと考えてしまいそうですが、全体的にそうでも、製品各別に振り分けているということに原価計算の意味合いがあるのです。

次に、仕掛品(資産)が完成するとやっと製品(資産)として振り替えることになります。

最終的に、製品(資産)が小売店や卸売店に販売されると売上原価(費用)として計上することとなります。 まるで出世魚のように名前を変えていきますので、それぞれの名称の確認をここでしっかり身につけておくようにしましょう。

 

文章だけではわかりにくいので、過去にポリテク学習会で使用していたテキストを抜粋して公開します。参考にしてみてください。

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