商業簿記で商品の払出単価の説明をしました。今回は、工業簿記編です。
商業簿記では、先入先出法と移動平均法を解説しました。工業簿記では、先入先出法と平均法があります。
また、商業簿記では、商品在高帳の作成で出てくる論点でしたが、工業簿記では、この払出単価の計算が至るところで出てきます。そして、商品在高帳ではなく材料・仕掛品・製品のボックスを使って解いていくこととなります。
ここでのボックスとは、材料元帳(商業簿記でいう総勘定元帳)の形状を箱型にしたものです。
先入先出法
先入先出法(FIFO:First In First Out Method)とは、先に購入した材料を先に消費したと仮定して材料の払出単価を計算する方法をいいます。
例)当月、直接材料として小麦粉を90㎏消費した。なお、月初材料有高は、50㎏(@220円)、当月材料購入量は100㎏(@250円)である。
先に購入したものを先に払い出すので、まずは月初材料有高の50㎏を払い出した後、残りの40㎏を当月購入量から払い出します。
当月消費量:(@220円×50㎏)+(@250㎏×40㎏)=21,000円
*仕訳(参考)*
(仕掛品)21,000/(材料)21,000
平均法
(総)平均法(AM:Average Method)とは、一定期間(1カ月間)に購入した材料の購入価額の合計を数量の合計で割ったものを払出単価とする方法をいいます。
上の例を使って平均法で計算しなおすと以下のとおりとなります。
当月消費量:(11,000円+25,000円)÷(50㎏+100㎏)=@240円
@240円×90㎏(当月消費量)=21,600円
*仕訳(参考)*
(仕掛品)21,600/(材料)21,600