当座預金その3~銀行勘定調整表①~
銀行勘定調整表とは、月末や決算期に銀行から当座預金の残高証明書を取り寄せ、これと帳簿残高が一致しているかを調整するために作成する表をいいます。
作成方法は、両者区分調整法、企業残高基準法、銀行残高基準法があります。企業残高基準法は、企業側の残高をベースにして銀行勘定調整表を作成します。銀行残高はそれとは逆に銀行残高をべースとするものです。ここでは、両方の合体型である両者区分調整法を見ていきます。
企業残高と銀行残高が不一致になる原因はいくつかあります。まずは、企業側が処理不要な銀行側の記入について説明します。銀行勘定調整表でいえば右側の記入になります。
①時間外預入
企業側が銀行の時間外金庫を使用して、入金をしたため、銀行では処理ができていません。このため、銀行残高と企業残高に不一致が生じます。
企業側としては、入金は正しいものであり、翌営業日には解消されるため、仕訳は不要です。銀行側としては、入金処理が必要となるため、銀行残高に加算します。
例)当社の当座預金残高は337,000円であったが、銀行の残高証明書の残高は285,000円であった。なお、当座預金口座について次の事項が判明した。(以降すべてに適用)
①現金18,000円を預け入れた際、銀行で翌日付の入金として処理されていた。
②未取立小切手
銀行に小切手の取立を依頼していたがまだ完了していない場合、銀行残高と企業残高の不一致が生じます。
企業側が仕訳を間違っているわけではないので、修正仕訳は不要です。銀行側が小切手を取り立てれば、不一致が解消されます。
②小切手58,000円の取立を銀行に依頼したが、まだ銀行が取り立てていなかった。
③未取付(呈示)小切手
代金の支払などのため小切手を振り出したが、その受け取った相手方が銀行に赴いて現金化していない場合(未取付、未呈示)、銀行残高と企業残高の不一致が生じます。
企業側が間違っている訳ではないので、修正仕訳は不要です。小切手が現金化されれば、不一致が解消されます。
③買掛金11,000円の支払いのため小切手を振り出したが、まだ銀行に呈示されていなかった。
①~③までで銀行側の記入が終了しました。この時点で正しい処理が行われていれば、合計は必ず一致します。
次回は、企業側の処理を説明します。