今まで材料費、労務費、経費の3つを見てきました。今回は、その中で間接材料費、間接労務費、間接経費が送られてきた場所「製造間接費(費用)」について説明していきます。
直接費については、それぞれ材料費・労務費・経費から仕掛品を通じて、各製品に振り分けられます。これを賦課(直課)といいます。
間接費については、いったん製造間接費という大きな器にプールしてから、それぞれの製品(仕掛品)にどのぐらい使われたのかで振り分けていきます。これを配賦といいます。そこで、各製品にどのような割合で配賦するのかを決めておかなければなりませんが、その基準のことを配賦基準といいます。
ここからは、実際の処理を見ていきましょう。
例)次の製造間接費を仕掛品へ配賦する。
間接材料費3,000、間接労務費2,400円、間接経費:減価償却費600円・修繕費800円
材料費から製造間接費に振り替えたときの仕訳は以下のとおりです。
(製造間接費)3,000/(材料)3,000
(製造間接費)2,400/(賃金・給料)2,400
(製造間接費)1,400/(減価償却費)600
/(修繕費)800
これを仕掛品を通じて各製品に振り分けます。試験では、費目別計算においてA仕掛品、B仕掛品と分けられて出題されることは少ないため、一括して仕掛品へ振り分けることになります。
(仕掛品)6,800/(製造間接費)6,800
配賦基準と配賦の考え方は、それぞれの原価計算でしっかり出てきますので、安心してください。