ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

手形取引その4~手形の不渡り~

今回は、手形取引の残りの論点をやっていきます。

手形の不渡り

簿記を知らなくても不渡りという言葉は何となく、TVドラマで聞くフレーズかと思います。不渡りを繰り返し起こすと、銀行での取引ができなくなるため倒産に追い込まれます。

まず、約束手形ですが、借用証書の役目を果たしている有価証券(金券)です。手形には支払期限(支払サイト:およそ4か月以内で設定)が記載しており、その期限が来ると取引口座よりその金額が相手先に振り込まれることとなります。

このため口座に残高がないと相手先に振込ができなくなるため、不渡りということで取引銀行や取引先に多大な迷惑が掛かります。特に中小企業のやり取りでは、アテにしていたお金が振り込まれないと、連鎖倒産を起こす危険性があります。

まず、不渡りを起こすと、各金融機関に通知されることになり、今後さまざまな銀行での融資を事実上受けられなくなるため、経営が困窮することになります。

さらに、6カ月以内に2度目の不渡りを起こすと、銀行での当座預金取引・貸出取引(融資)が2年間できなくなります。こうなると、今まで融資を受けていた金額を一括返済しなければならなくなり、倒産に追い込まれてしまう訳です。

長くなりましたが、簿記の話に戻します。

①持っていた手形が不渡りとなったとき

受取手形として処理していたものが、このように不渡りを起こすと、銀行では現金化ができないため、再度、手形の振出人または裏書人に代金の請求をすることになります。

このとき、通常の受取手形と区別するために不渡手形(資産)に振り替えます。そして、不渡りに関する諸費用も当然回収するため、この金額に含めて処理します。

 

例)約束手形10,000円が不渡りとなったため、振出人に償還請求をした。なお、償還請求費用300円を現金で支払った。

(不渡手形)10,300/(受取手形)10,000

         /(現金)300

②不渡手形の代金を回収できたとき

不渡手形を回収できたときは、不渡手形(資産)を減少させます。

 

例)かねて不渡手形として処理していた10,300円について、本日現金で回収した。

(現金)10,300/(不渡手形)10,300

 

不渡手形の回収が困難となったときには、売上債権の貸し倒れとして処理します。

この方法については、以前お話ししたとおりです。

 

polytech-mk.hatenablog.com

手形の裏書きと割引は試験範囲外となりましたので、削除しました。