ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

有形固定資産その5~割賦購入と買換え~

今回から有形固定資産を何回かに分けて説明します。まずは、割賦購入(分割購入)と買換えについてです。

有形固定資産の割賦購入

建物や車は高額すぎて、一括で購入することが困難な場合、分割払い(割賦購入)で決済することがあります。

契約時に完済時までの利息を計算し、毎月一定金額(利息込み)で最初か最後に端数分を加えた金額を支払うのが一般的です。この方法では、最初に利息部分の割合が高く設定され、支払うにつれて利息部分が減っていくので、元金部分が支払いにつれて増えていきます(元利均等方式)。

ところが、簿記2級では、1年払いで契約をすると、その日から完済日までの利息を年利率で計算し、その1年分の利息を12か月で均等に割って支払金額としています。

年利率で計算しているため、毎月支払って元金が減っても、利息の再計算は行われません。試験問題としては単純計算になるので助かりますが、実際だと利息の過払いになっているのでは?と思ってしまいます。

 

①有形固定資産を割賦(分割)で購入したとき

例)当期首において、車両1,200,000円を1年(12回)の分割払い(毎回の支払額は102,000円)の契約で購入した。なお、利息分については前払利息で処理する。

まず、1,200,000円を車両運搬具(資産)として借方に記入します。そして102,000円を12回払いなので、総額1,224,000円を未払金(負債)として貸方に記入します。

貸借差額が利息部分となりますので、前払利息(資産)として処理します。

(車両運搬具)1,200,000/(未払金)1,224,000

(前払利息)24,000

 

②割賦金を支払ったとき

割賦金を支払ったときは、未払金(資産)をその分だけ減らします。そして、前払利息の当月分を支払利息(費用)に振り替えます。

①の割賦金を現金で支払った場合、以下の仕訳となります。

(未払金)102,000/(現金)102,000

(支払利息)2,000/(前払利息)2,000

 

この未払金(負債)は、営業外支払手形(負債)での出題が比較的多いです。

固定資産の買換え

 以前、手形の更改のときに固定資産の買換えも同じですよとお話ししましたが、固定資産の買い替えの際には、借方と貸方に同じ勘定科目が出現します。

大抵は車の買い替えで出題されますので、それを例に進めていきます。

 

例)車両(取得原価200,000円、減価償却累計額120,000円)を下取りに出し、新車両を300,000円で購入した。なお、旧車両の下取り価格は70,000円であり、新車両の差額は現金で支払った。

 

まず、旧車両を売却したことに着目すると、次の仕訳となります。なお、売却代金は現金で受け取ったことにしています。また、車両運搬具減価償却累計額は何かの技みたいで長すぎるので、単に減価償却累計額で表示しています。実際の問題により使い分けします。

減価償却累計額)120,000/(車両運搬具)200,000

(現金)70,000/

(固定資産売却損)10,000

 

次に新車両を現金で購入したときの仕訳は次のとおりです。

(車両運搬具)300,000/(現金)300,000

 

 これを一つに合体させると本来の仕訳が完成します。そのために現金は相殺します。

(車両運搬具)300,000/(車両運搬具)200,000

減価償却累計額)120,000/(現金)230,000

(固定資産売却損)10,000