有形固定資産その7~建設仮勘定~
今までは、既存の建物を購入した場合(建売り)でしたが、今回は、最初から建物を建てた場合を説明していきたいと思います。
建物を建てる場合には、完成するのに数カ月から数年かかります。そのため、最初の手付金や中間金を支払ったりして、建設会社などのデベロッパーに依頼することとなります。
その手付金、着手金、中間金などの類を建設仮勘定(資産)で処理します。完成したときには、建設仮勘定を減少させて、残金があれば完成時に支払って、建物を引き渡してもらうこととなります。
この建設仮勘定は建設仮・勘定ではなく、建設仮勘定という勘定科目の名前ですので、注意してください。また、建設と言っておきながら、固定資産全般に使うことができるので、備品や社用車のオーダーメイドで製造途中のときにも登場します。
①建設中の固定資産について代金を支払ったとき
例)建物の新築のため建設会社と請負契約(請負金額8,000,000円)を結び、手付金として1,600,000円を手形を振り出して支払った。
本業以外の手形のときには、営業外支払手形(負債)で処理します。
(建設仮勘定)1,600,000/(営業外支払手形)1,600,000
②固定資産が完成し、引渡しを受けたとき
例)上記の建物が完成し、引渡しを受けたので、残金を小切手を振り出して支払った。
(建物)8,000,000/(建設仮勘定)1,600,000
/(当座預金)6,400,000
この建設系の仕訳は、1級で出題論点が増えるほか、建設業経理士の資格でも関係してきます。