解答解説の準備ができましたので、順次公開させていただきます。
第1問の1 研究開発費
問 特定の研究開発の目的で備品¥500,000と実験用の薬剤¥70,000を購入し、代金は小切手を振り出して支払うとともに、この研究プロジェクトにのみ従事している客員研究員A氏に対する今月分の業務委託費¥300,000を当社の普通預金口座からA氏の指定する預金口座に振り込んだ。
研究開発費(費用)は、研究開発に関する一切の費用を計上します。したがって、すべての費用の合計が研究開発費となります。
*正解の仕訳*
(研究開発費)870,000/(当座預金)570,000
/(普通預金)300,000
研究開発費の処理を知らないと、次のような仕訳となってしまいます。
*誤った仕訳*
(備品)500,000/(当座預金)570,000
(消耗品費)70,000/(普通預金)300,000
(給料)300,000/
ちなみに実務では、(給料)は(外注費)だったりします。第1問では、勘定科目一覧の中から選択しなければならないため、たとえ載っていない勘定科目が実務上合っていたとしても誤りとなります。必ず勘定科目一覧の確認は事前もしくは随時確認しましょう。そして、一通り全問解いた後の見直しでも確認が必要です。
弊事務所では、時間があれば自分の解いた解答をみないでもう一度解くように指導しています。単なるケアレスミスだった場合、これで気づくからです。
第1問の2 貸倒れの問題
問 得意先東西商事株式会社が倒産し、同社に対する売掛金¥600,000が回収不能となった。同社に対する売掛金のうち、¥400,000は前期の販売から生じたものであり、残額は当期の販売から生じたものである。なお、貸倒引当金の残高は¥320,000であり、設定金額は適切と認められる。
貸倒引当金の計上は、前期の売掛債権のデータをもとにして計算するため、前期分しか補てんできません。したがって、前期の販売¥400,000のうち¥320,000を貸倒引当金で処理します。残りの¥80,000と当期分の¥200,000は当期の損失として貸倒損失(費用)で処理します。
*正解の仕訳*
(貸倒損失)280,000/
ちなみに売掛金¥600,000のうち、¥300,000が前期の販売から生じたものであったときには、まず、¥300,000を貸倒引当金で処理します。このとき、貸倒引当金は¥20,000残っていますが、当期分に使用することができないため、そのままストックしておきます。当期分の¥300,000は、そのまま貸倒損失(費用)で処理することになります。
*類題の仕訳*
(貸倒損失)300,000/
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