ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

153回日商簿記2級の解答について~第2問 穴埋め選択問題①~

 日商簿記検定の予想結果でも話しましたが、2級ではまず出ないだろうとされた問題形式です。ワークブック形式の問題集でなければ、直前問題集で取り上げているところはないでしょう。それでも、要所要所理解ができていれば、解ける問題だったと思います。

問 下記⑴~⑷の文章の空欄のうち①~⑩に入る語句あるいは数値を答えなさい。ただし、語句については、次の[語群]の中から最も適当なものを選び、記号で答えなさい。

[語群]

(省略)

※ブログをご覧の方は、語句を選択するのではなく、そのまま空欄を埋めていってください。

第2問の(1)税金の問題

問 企業の所得に課税される税金には、法人税、住民税のほかに( )がある。課税所得は1年間に得られた(①)から( )を差し引いて求め、これに税率をかけたものが納税額となる。また、消費税の記帳方法には税抜方式と(②)方式とがある。(②)方式では、納付すべき消費税を(③)勘定の借方に記入する。

 

分解すると3行になります。

まず1行目ですが、これは勘定科目を思い出せれば楽勝の話です。特に長い勘定科目ですし、ひょっとしたら第3問あたりの損益計算書で記入を求められる可能性もあるので忘れないかと思います。答えは、法人税、住民税及び事業税(費用)です。したがって、( )の中身には、ス.事業税が入ります。

以前は法人税という勘定科目で、授業では今でも使っている可能性もあります。ただし、ここは点数の枠外なので、参考程度です。

2行目は課税所得の問題です。FPの試験では、おなじみの問題だったりします。簿記で考えれば、収益-費用=利益という式を3級で覚えることとなります。

ところが、税務上はその名称が全て変わってしまいます。さすが、簿記の頂点に税理士試験があることを感じさせる問題です。

税務上では、収益は益金、費用は損金、利益は所得となります。したがって、益金-損金=所得という計算式になります。これを問題文に埋めていくと「課税所得は1年間に得られた益金から損金を差し引いて求め...」となります。よって、①にはテ.益金が入ります。

これは難しかったような気がします。おそらく税効果会計あたりでサラッと話が出るのかも知れない程度の問題でした。

3行目は消費税の問題です。これはしっかり消費税のところで学習論点ですから解けなくてはならない問題ですね。

②は特に話の流れでわかるのではないでしょうか。税抜きときたら反対語は税込みですね。よって、②はケ.税込が入ります。パッと見似たような選択肢でミ.利子込みとありますが、リースの論点で出てくる内容です。

そして③ですが、税込方式で使う勘定科目は、決算時の未払消費税(負債)と租税公課(費用)です。仕訳は以下のとおりです。

租税公課)×××/(未払消費税)×××

問題文では、借方の勘定科目を聞いていますので、③にはオ.租税公課が入ります。

第2問の(2)収益の認識基準

問 収益の認識基準には複数のものがある。出荷基準、引渡基準、および出荷基準の3つのうち、最も早く収益を計上するのは( )基準であり、最も遅く収益を計上するのは(④)基準である。

 

モノを売り上げたとき、売り上げを計上するタイミングは3つあります。商品を出荷したときの出荷基準、商品を直接引き渡したり、宅配・郵送により受取人に到着(納品)したときの引渡基準、納品後に正しく商品が届いているかをチェックしてからの検収基準があります。

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以上のことから、一番早いのが出荷基準、一番遅いのが検収基準となります。よって、④にはネ.検収基準が入ります。

 

弊事務所では、簿記講座をはじめとする社会に使える資格を個別指導方式で教えています。この簿記2級の本試験問題については、「日商簿記2級実戦編」として北海道旭川市近辺の方を対象に行っていますので、よろしくお願いいたします。

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