ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

153回日商簿記2級の解答について~第5問 組別総合原価計算②~

今回は第5問の2回目です。

まずは問題から…

 

問 飲料メーカーであるニッショウビバレッジは、清涼飲料AとBという2種類の製品を製造・販売している。原価計算方法としては、組別総合原価計算を採用している。直接材料費は各製品に直課し、加工費は機械稼働時間にもとづいて各製品に実際配賦している。製品の払出単価の計算は先入先出法とする。次の[資料]にもとづいて、答案用紙の組別総合原価計算表と月次損益計算書(一部)を完成しなさい。
[資料]
1.月初・月末在庫量
(A製品)
月初在庫量 仕掛品 0本
      製品 5,000本
月末在庫量 仕掛品 0本
      製品 3,000本
(B製品)
月初在庫量 仕掛品 0本
      製品 2,000本
月末在庫量 仕掛品 2,000本(30%)
      製品 3,000本
(注)( )内は加工費進捗度を示す。直接材料は工程の始点で投入している。
2.当月の生産・販売データ
 完成品 A製品 52,000本 B製品 29,000本
 販売品 A製品 54,000本 B製品 28,000本
 販売単価 A製品 120円 B製品 140円
3.当月の原価データ
 当月製造費用
  直接材料費 A製品 1,404,000円 B製品 1,085,000円
  (実際の問題では、「答案用紙参照」と記載されている。)
  加工費 1,312,800円
 月初製品原価 A製品 220,000円 B製品 112,000円
4.当月の機械稼働時間
 A製品 16,250時間 B製品 11,100時間

B仕掛品の直接材料費ボックスの作成

最初は変わらず、B仕掛品の直接材料費のデータの設置から。

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こんどは、月末仕掛品の数量があります。借方と貸方、左右一致していなければならないので、当月投入の数量及び金額は、完成品数量(金額)と月末仕掛品数量(金額)の合計となります。

当月投入の数量は31,000本、金額は1,085,000円となります。

次に、完成品と月末仕掛品の金額を求めます。その前提として、1本の単価を求めなければならないので、以下の図のとおり計算をします。

そうすると、1本あたりの価格は35円となります。

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単価が35円と定まりましたので、貸方の完成品と月末仕掛品にフィードバックします。

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これで、B仕掛品の直接材料費ボックスが完成しました。

B仕掛品の加工費ボックスの作成

それでは仕掛品ボックスの最後、加工費のボックスを仕上げていきます。まずは、数字を記入するところから…。

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月末仕掛品の本数のヨコに(30%)と記載されています。

これは加工進捗度といって、ペットボトルに飲料水がつぎ込まれて、ほぼすべて完成なんだけど、外側の商品パッケージの貼られているものが30%しかないことを意味しています。

つまり、70%がまだ未完成(仕掛品)で、30%は完成したばかりで製品倉庫に出荷されていない状況(工場に残っている)にあるということです。

こういうときは、まず月末仕掛品数量を30%として計算しなければなりません。

(本当は木工品とかの例で3割しか塗料が塗れていないなど作業工程が進んでいなくて、どれも不完全な状態のものをいいます。ここでの問題がペットボトルだったので、このような感じがしっくりくると思い、解釈を変えています。)

月末仕掛品数量:2,000個×30%=600個

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これで貸方の数量合計が52,600個ということになり、これが当月投入の数量となります。当月投入の数量が出たら、またB仕掛品の加工費分の単価を出します。

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あとは、先ほどと同じく数量に応じてフィードバックです。

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この結果を解答用紙に写せば、まずは原価計算表は完成です。

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次回、最後の製品ボックスと月次損益計算書(一部)を仕上げます。

弊事務所では、簿記講座をはじめとする社会に使える資格を個別指導方式で教えています。この簿記2級の本試験問題については、「日商簿記2級実戦編」として北海道旭川市近辺の方を対象に行っていますので、よろしくお願いいたします。

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