ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

有形固定資産その8~資本的支出と収益的支出、火災等による滅失~

あけまして、おめでとうございます!本年もよろしくお願いいたします。

153回の解答解説が終わり、通常のものに戻ります。

資本的支出と収益的支出

事務所の窓の修理のついでに、防虫サッシや網戸を取り付けたというときは注意が必要です。一般的に現状維持のために修理をした場合には、その費用は、修繕費(費用)として処理します。これを、収益的支出(修繕)といいます。

ところが、上記のように網戸を付加したり、階段をバリアフリー化したときなどは、建物の価値が上がることになるので、その費用は建物(資産)として処理することになります。これを資本的支出(改良)といいます。

 

例)建物の改良と修繕を行い、その代金10,000円を現金で支払った。なお、このうち7,000円は改良とみなされた。

(建物)7,000/(現金)10,000

(修繕費)3,000

火災等による滅失

普段滅多にないことですが、2級簿記では、頻繁に火災で建物を焼失してしまう出来事が起きます。現在の世の中では、建物に対する火災保険や地震保険などはかけていると思います。その前提で、保険がらみの出題となります。

 

①固定資産が火災で滅失したとき

固定資産が、火災や水害などで滅失してしまった場合で保険を掛けているときには、当然、その損害額が保険金として受け取ることとなります。

ただし、請求してから保険金の支払額の連絡があるまでは、いくら戻ってくるのかがわかりません。そこで、その建物の帳簿金額(取得原価ー減価償却累計額)を火災未決算(または未決算)(資産)として、いったん処理します。

なお、掛けた保険金額よりも建物の価値が高いときは、建物の帳簿価額から火災保険の保険金額を差し引いた損失を火災損失(費用)で処理します。また、保険を掛けていないときにも、同じような処理になります。

 

例)建物(取得原価100,000円、減価償却累計額40,000円)が火災により焼失した。なお、この建物には、100,000円の火災保険が掛けられている。

(火災未決算)60,000/(建物)100,000

減価償却累計額)40,000/

 

②保険金額が確定したときの仕訳

保険金額の支払金額が確定した金額について、火災未決算(資産)を減らして、入金があるまで未収入金(資産)で処理します。なお、火災未決算の金額よりも高い保険金額のときは、その利益部分を保険差益(収益)で処理し、低い保険金額のときは火災損失(費用)で処理します。

 

例)①の火災保険について、保険金80,000円を支払う旨の連絡が保険会社からあった。

(未収入金)80,000/(火災未決算)60,000

         /(保険差益)20,000