ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

有形固定資産その9~圧縮記帳~

地球温暖化防止などのために固定資産を購入する場合、国から補助金を受け取ることがあります。この場合、補助金があるので固定資産の購入代金が少なくて済みますが、固定資産の資産価額がそのままだとその分支払うべき税金が増えてしまいます。

そのため、税金が増えることを嫌う企業は、補助金を受けることを控えてしまう傾向になります。それでは、補助金の意味がなくなってしまいます。

そこで、補助金を受けた分だけ固定資産の価額も減らせば、税金の問題も解消されます。この処理のことを圧縮記帳といいます。

国庫補助金を受け取ったとき

国庫補助金を受け取ったときは、受け取った現金等を計上するとともに、国庫補助金受贈益(収益)で処理します。

 

例)国から国庫補助金100,000円を現金で受け取った。

(現金)100,000/(国庫補助金受贈益)100,000

固定資産を購入したとき

目的の固定資産を購入したときは、まずは普通通りに固定資産を取得したときの仕訳をします。

 

例)建物180,000円(国庫補助金100,000円、残りは自己資金)を購入し、代金は現金で支払った。なお、この建物について補助金に相当する額の圧縮記帳(直接減額方式)を行った。

(建物)180,000/(現金)180,000

 

このままだと、18万円分の取得原価となり、資産もその分増えてしまいます。さらに、国庫補助金受贈益の分収益が増えているので、支払うべき法人税が増えてしまうことになります。そこで、固定資産の取得原価を補助金の分だけ減らすとともに、固定資産圧縮損(費用)として処理します。

(建物)180,000/(現金)180,000

(固定資産圧縮損)100,000/(建物)100,000

これで、建物の帳簿価額は自己資金の80,000円となります。

面倒な処理なので、国庫補助金受贈益を減らして処理すれば?と思ってしまいそうですが、それだと帳簿上補助金を受け取った事実が消えてしまうので、収益と費用でバランスを取っています。