無形固定資産
無形固定資産とは、モノとしての形はないけれど、長期間保有することによって資産価値のある権利のことをいいます。
無形固定資産には以下のようなものがあります。
特許権:新たな発明を独占的に使える権利
商標権:文字や記号などの商標を独占的に使える権利
のれん:合併や企業買収などによって、その企業のブランド力や技術などのノウハウを金銭的価値としたもの
のれんは、昔ながらの「のれん分け」という言葉があるように、そのお店の名前によって、お客さんが集まってくる集客力をいいます。フランチャイズ経営などは、このシステムをうまく利用した商法ですね。
のれんについては、2級では株式の合併の流れで出題されますので、株式の発行あたりでまとめてご説明します。
無形固定資産を取得したとき
特許権については、日曜ドラマの「下町ロケット」でよく出てきたキーワードです。ある製品を製造するために必要不可欠な部品には特許権がくっついていて、使用許諾権を買い取ったときに特許権(資産)として処理します。
例)特許権を1,000円で購入し、代金は小切手で支払った。
決算時の処理
無形固定資産も使用できる期限があるため、価値が年々減っていきます。そこで、固定資産という名のとおり、減価償却を行って、適正な帳簿価額にする処理を行います。
有形固定資産には、定額法・定率法などの償却方法の違いや直接法・間接法の記帳方法の違いがありましたが、無形固定資産については、残存価額をゼロとした定額法・直接法で処理します。
無形固定資産の償却には、減価償却費ではなく、特許権償却(費用)のように○○償却(費用)で処理します。
例)決算につき、当期首に取得した特許権1,000円を5年で償却する。
特許権償却の金額:1,000円÷5年=200円
このように特許権はその償却年数が経過すると、やがて0円になります。