前回に引き続き[設問]問2からです。
有価証券利息及び投資有価証券売却損益の計算
①有価証券利息の計算
9月30日 債券の利払い(前期)
利払い対象の債券はD債券とE債券です。利子の計算は以下の式にて行います。
額面金額×年利率×月数/12カ月
(債券利子)
D債券:5,000,000円×0.4%×6ヵ月/12カ月=10,000円
E債券:5,000,000円×0.3%×6ヵ月/12カ月=7,500円
12月31日 D債券の一部売却
前回、この仕訳で経過利息として有価証券利息が出てきています。
D債券:2,500円(経過利息)
3月31日2行目 債券の利払い(後期)
D債券の帳簿残高(元本)が50%に減り、F債券が追加となっています。
(債券利子)
D債券:2,500,000円×0.4%×6ヵ月/12カ月=5,000円
E債券:5,000,000円×0.3%×6ヵ月/12カ月=7,500円
F債券:4,000,000円×0.4%×6ヵ月/12カ月=8,000円
ちなみに、E債券は月中変動がないため、最初から1年分で計算してしまった方が早いです。
3月31日3行目 満期保有目的債券の期末処理
これも前回説明済みです。
(E債券)
金利調整差額:5,000,000円-4,900,000円=100,000円
当期償却額:100,000円÷5年=20,000円
(F債券)
金利調整差額:4,000,000円-4,060,000円=▲60,000円
当期償却額:▲60,000円÷6年×6ヵ月/12カ月=▲5,000円
以上すべての合計を足すと答えになります。
【正解】
有価証券利息の合計:55,500円
②有価証券売却損益の計算
有価証券の売却は11月20日B株式と12月31日D債券の2件です。問1の解答過程で既に計算済みとなります。仕訳だけ再掲します。
11月20日 B株式の一部売却
【仕訳】
(当座預金)1,700,000/(その他有価証券)1,337,500
/(有価証券売却益)362,500
12月31日 D債券の一部売却
【仕訳】
(当座預金)2,600,000/(その他有価証券)2,500,000
/(有価証券利息)2,500
/(有価証券売却益)97,500
【正解】
有価証券売却(益):362,500円+97,500円=460,000円
G社連結合併による開始仕訳
第2問の最後は開始仕訳の投資と資本の相殺です。問題文で「最長年数で償却する予定」と書かれていますが、解答に全く関係ない情報です。
[資料4]により、G社の純資産の情報が記載されています。
純資産の持分比率は、自社が60%で、非支配株主持分が40%となっています。そうすると、子会社株式の元値が30,600,000円であることがわかります。それを[資料2]3月31日1行目により31,500,000円で購入しています。したがってその差額900,000円がのれん(資産)となります。
【正解の仕訳】
(資本金)24,000,000/(子会社株式)31,500,000
(利益準備金)6,000,000/(非支配株主持分)20,400,000
(繰越利益剰余金)21,000,000/
(のれん)900,000/
なお、仕訳の説明を省いていますので、以前の記事を参考にしてください。