ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

156回日商簿記2級の解答について~第2問 有価証券②~

前回に引き続き[設問]問2からです。

有価証券利息及び投資有価証券売却損益の計算

①有価証券利息の計算

9月30日 債券の利払い(前期)

利払い対象の債券はD債券とE債券です。利子の計算は以下の式にて行います。

額面金額×年利率×月数/12カ月

(債券利子)

D債券:5,000,000円×0.4%×6ヵ月/12カ月=10,000円

E債券:5,000,000円×0.3%×6ヵ月/12カ月=7,500円

 

12月31日 D債券の一部売却

前回、この仕訳で経過利息として有価証券利息が出てきています。

D債券2,500円(経過利息)

 

3月31日2行目 債券の利払い(後期)

D債券の帳簿残高(元本)が50%に減り、F債券が追加となっています。

(債券利子)

D債券:2,500,000円×0.4%×6ヵ月/12カ月=5,000円

E債券:5,000,000円×0.3%×6ヵ月/12カ月=7,500円

F債券:4,000,000円×0.4%×6ヵ月/12カ月=8,000円

ちなみに、E債券は月中変動がないため、最初から1年分で計算してしまった方が早いです。

 

3月31日3行目 満期保有目的債券の期末処理

これも前回説明済みです。

(E債券)

金利調整差額:5,000,000円-4,900,000円=100,000円

当期償却額:100,000円÷5年=20,000円

(F債券)

金利調整差額:4,000,000円-4,060,000円=▲60,000円

当期償却額:▲60,000円÷6年×6ヵ月/12カ月=▲5,000円

 

以上すべての合計を足すと答えになります。

【正解】

有価証券利息の合計55,500円

②有価証券売却損益の計算

有価証券の売却は11月20日B株式と12月31日D債券の2件です。問1の解答過程で既に計算済みとなります。仕訳だけ再掲します。

11月20日 B株式の一部売却

【仕訳】

当座預金)1,700,000/(その他有価証券)1,337,500

          /(有価証券売却益)362,500

12月31日 D債券の一部売却

【仕訳】

当座預金)2,600,000/(その他有価証券)2,500,000

           /(有価証券利息)2,500

          /(有価証券売却益)97,500

【正解】

有価証券売却(:362,500円+97,500円=460,000円

G社連結合併による開始仕訳

 第2問の最後は開始仕訳の投資と資本の相殺です。問題文で「最長年数で償却する予定」と書かれていますが、解答に全く関係ない情報です。

[資料4]により、G社の純資産の情報が記載されています。

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純資産の持分比率は、自社が60%で、非支配株主持分が40%となっています。そうすると、子会社株式の元値が30,600,000円であることがわかります。それを[資料2]3月31日1行目により31,500,000円で購入しています。したがってその差額900,000円がのれん(資産)となります。

 

 【正解の仕訳】

(資本金)24,000,000/(子会社株式)31,500,000

利益準備金)6,000,000/(非支配株主持分)20,400,000

(繰越利益剰余金)21,000,000/

(のれん)900,000/

 

なお、仕訳の説明を省いていますので、以前の記事を参考にしてください。

polytech-mk.hatenablog.com