決算の流れ
いよいよ3級商業簿記も大詰めの決算手続となりました。決算の手続きは、以下の流れに沿って行います。
①試算表の作成
②決算整理仕訳
③精算表の作成
⑤帳簿の締め切り
決算とは、会計期間における財政状態や経営成績を明らかにするための手続きとなります。
会計期間について、株式会社は自由に決めることができます。3級の本試験では、4月1日~3月31日とされ、決算日は3月31日になることが多いです。
個人事業主は、以前話ししましたが、1月1日~12月31日(決算日12月31日)の固定です。
試算表の作成
試算表とは、1年(または1か月)の仕訳から総勘定元帳への転記が、果たして間違っていなかったかをチェックする作業として作成される表です。
試算表は3つの種類があります。
①各総勘定元帳ごとの借方と貸方の合計を記入した合計試算表
②各総勘定元帳ごとの残高を記入した残高試算表
③合計試算表と残高試算表を併記した合計残高試算表
記帳が間違っていなければ、当然、試算表の貸借は一致します。ここからの例は、合計残高試算表でお話しします。
例)次に示す各勘定に基づいて、4月中の合計残高試算表を作成しなさい。
①現金の借方合計を、試算表の借方合計へ転記します。
借方合計:80,000+60,000=140,000
②現金の貸方合計を、試算表の貸方合計へ転記します。
貸方合計:30,000
③現金の借方合計-貸方合計で計算した残高を、試算表の借方残高へ転記します。
(貸方がホームポジションの勘定は、貸方合計ー借方合計=貸方残高となります。)
借方合計140,000-貸方合計30,000=借方残高110,000
このようにすべての勘定科目について、残高表に記入します。
借方合計(残高)と貸方合計(残高)の数字が一致しますので、これで完成となります。したがって、4月中の記帳は間違っていなかったことになります。