ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

商業簿記

契約負債と契約資産

今回は、前回説明した「収益の認識基準」が実際の仕訳問題にどのように出てくるかということを中心に説明していきます。 契約負債 契約負債(負債)とは、お客さまに商品やサービスの提供をする前に現金等で対価を受け取った際に処理する勘定科目です。いわ…

収益の認識基準の考え方

このブログも作り始めてから4年経過しました。ここ2年はあまり更新していないのも関わらずアクセス数は上昇し続けており、大変感謝しております。 2022年12月3日現在 日商簿記に関係ないものなど少し整理をしました。今回は、今年の4月から出題範囲となっ…

売価・原価・利益の関係

現在、ポリテクセンターで簿記の授業をしていますが、時間の都合上どうしてもお話しすることができなかったため、ここで詳しく説明しようと思います。 連結修正仕訳でこの考え方は出てきますが、これが理解できないと点数を落とします。ちなみにこれらは小学…

156回日商簿記2級の解答について~第3問 連結貸借対照表の作成④~

今回の簿記2級の解説は今日で完結です。 ⑦子会社の配当金の修正 この部分は利益剰余金と非支配株主持分の項目ですから、捨て問作戦の人は飛ばしてしまって構わないです。 今年度、S社はP社と非支配株主に配当を行っています。P社の方は利益剰余金には関係…

156回日商簿記2級の解答について~第3問 連結貸借対照表の作成③~

前回の予備知識をもとに実際に解いていく実戦編です。 点数にならない箇所は書かなくてもいいので、時短のために省略します。 ・合計欄 ・試算表の数字を単純に足しているもの(現金預金・建物・備品) ・資本金、資本剰余金は開始仕訳があるものの、実際に…

156回日商簿記2級の解答について~第3問 連結貸借対照表の作成②~

今回は[資料3]の連結修正仕訳を中心に解説いたします。 [資料3]P社とS社の連結に際し、必要となる事項 1.P社は、X1年4月1日にS社の発行済株式総数の60%を400,000千円で取得し、これ以降S社を連結子会社とし、連結財務諸表を作成している。X1年4…

156回日商簿記2級の解答について~第3問 連結貸借対照表の作成①~

156回の最後は連結貸借対照表です。過去の記事をご覧の方は大体把握できていると思いますが、貸借対照表のときは、損益科目は基本関係ありません。損益科目は計算のために最低限必要なことをするときだけにとどめておきましょう。 ということでまずは基本編…

156回日商簿記2級の解答について~第2問 有価証券②~

前回に引き続き[設問]問2からです。 有価証券利息及び投資有価証券売却損益の計算 ①有価証券利息の計算 9月30日 債券の利払い(前期) 利払い対象の債券はD債券とE債券です。利子の計算は以下の式にて行います。 額面金額×年利率×月数/12カ月 (債券利子…

156回日商簿記2級の解答について~第2問 有価証券①~

商業簿記に戻って、第2問の有価証券の問題です。 設問が問1~問3までありますが、問3だけは連結会計の開始仕訳の問題となっており、他とは別個に解くことができます。そんなに難しくはないので、先に解いてしまっても構わないと思います。 工夫すれば、…

156回日商簿記2級の解答について~第1問 仕訳問題②~

今回は、仕訳問題の第4問からです。 第1問の4 固定資産の滅失 問 ×年10月31日、建物(取得原価¥24,000,000、減価償却累計額¥11,520,000、間接法で記帳)が火災で焼失した。焼失した建物には総額¥24,000,000の火災保険が掛けられており、保険会社に保険…

156回日商簿記2級の解答について~第1問 仕訳問題①~

久しぶりに投稿いたします。 1月末までFP試験の講義をしていたため、遅れましたことをお詫び申し上げます。 2月の試験まであとわずかですが、今後の方々にも分かるように解説していきますので、よろしくお願いいたします。 今回の順番は、1→4→5→2→3…

製造業の財務諸表③~解き方 速攻編+α~

さて、いよいよ実際の解き方に入ります。ここで、分岐点を3つ作ります。 ①:貸借対照表だけを狙い撃ちして10~14点を手堅く取りに行く方法 ②:①の方法の後、少し時間に余裕ができたから区分式損益計算書に表示される売上総利益だけを狙う方法(①+1~2点)。 ③…

製造業の財務諸表②~決算整理事項その2~

今度は、商業簿記としてこの決算整理事項を最初から見ていきます。ということで、[資料2]の部分だけ表示いたします。 [資料2]3月の取引・決算整理等に関する事項 1.3月について、材料仕入高(すべて掛買い)¥90,000、直接材料費¥70,000、直接工…

製造業の財務諸表①~決算整理事項その1~

おまけ第2回は、製造業の財務諸表です。今までの総復習ということで、工業簿記の知識も問われます。また、貸借対照表メインですが、20点満点を取るには、自分で簡単な損益計算書を作成しなければならないということになります。 これもサービス業のときと同…

サービス業の損益計算書③~実践編~

今までのブログを見て頂いている方は、もうお馴染みとなっていますが、以下の原則に従って問題を解いていきます。 ①損益計算書の作成のときは、損益科目(収益及び費用)のみに注視する。 ②わかるものから解いていく。 ③時間がないときは、全ての答えがあっ…

サービス業の損益計算書②~決算整理事項その2~

前回の決算整理事項の続きです。 まずは、問題からです。 問 【資料Ⅰ】決算整理前残高試算表と、次の事業の内容の説明および【資料Ⅱ】決算整理事項にもとづいて、損益計算書を作成しなさい。 (中略) 【資料Ⅱ】決算整理事項 5.決算整理前試算表に計上され…

サービス業の損益計算書①~決算整理事項その1~

2級簿記おまけ第1回はサービス業の損益計算書(第3問対策)です。資料は、サンプル問題を使用します。 本編と同様に、始めは通常どおりの説明を行ってから、実際の解き方をやっていきます。また、決算整理事項を1~4、5~9の2回に分けます。問題も長…

連結会計その5~連結精算表の作成~

連結会計の最後は、連結精算表の作成です。本当はその後に連結財務諸表の作成がありますが、内容がほとんど被ってしまうため、本試験で出てきたときに解説できればと思っています。 今回は、いよいよ過去2回にやった開始仕訳と連結修正仕訳から、連結精算表…

連結会計その4~当年度の連結修正仕訳~

前回の続きです。本来は開始仕訳が完成したら、すぐに解答用紙に記入するようお話ししています。しかし、次回の連結精算表の作成がまるでクロスワードパズルのような記入の仕方になるので、そのときに一気に解説していきます。 今回も例題の関係する部分のみ…

連結会計その3~開始仕訳~

予備知識が終わったところで、いよいよ本題に入ります。ここは日本商工会議所のサンプル問題を例題として解説します。開始仕訳⇒連結修正仕訳⇒連結精算書と続きます。 なお、例題はそのテーマごとに表示していきます。全体を見たい方は、日本商工会議所のサン…

連結会計その2~ダウンストリームとアップストリーム~

この部分は連結会計をする上で大事な考え方となります。 まず1つ目。 連結財務諸表を作成する場合、グループ会社間での売買や貸し借りのような取引は、グループを大きな一会社として考えると、自分から自分への取引ということなので、その部分は消去する仕訳…

連結会計その1~会社のしくみと連結会計~

この連結会計で2級の範囲は終了となります。この後は、サンプル問題を使用したサービス業の貸借対照表と製造業の損益計算書をやる予定です。 まずは本題に入る前に、連結会計を知るためには会社と株式・株主の関係を知っておいた方がよいと思います。 中級者…

本支店会計その2~本支店合併財務諸表③特別編~

前2回の内容をもとに今回は実戦向けの解き方を解説します。名誉のために満点目指している方でなければ、第3問が面倒なものであった場合、半分以上取れれば良しとする方法です。 前回の最後に申し上げた通り、第3問の満点20点中、支店勘定(支店当期純利益)…

本支店会計その2~本支店合併財務諸表②~

前回の続きです。問題は続きからの掲載です。 問 品川商事株式会社は、東京の本店のほかに埼玉県に支店を有している。次の【資料】にもとづき、第7期(平成29年4月1日~平成30年3月31日)の本店の損益勘定を完成しなさい。ただし、本問では「法人税、住民税…

本支店会計その2~本支店合併財務諸表①~

支店をたくさん持っている会社でも、それぞれの業績はさまざまです。それでは実際わが社全体で、どれだけの業績が上がっているのかを示すために、本店および各支店の決算書をひとまとめに作成したものを本支店合併財務諸表といいます。 本支店合併財務諸表の…

本支店会計その1~本支店会計の概要~

本支店会計とは、本店と支店が存在する場合の会計制度を言います。個々の会社の仕訳については変わりませんが、本支店間での取引についての仕訳の仕方を説明します。 この本支店会計の処理方法には、本店集中会計制度と支店独立会計制度の2つの方法がありま…

会社の合併

ここからは、会社が複数関係している取引を見ていきます。このテーマについては、会社の合併・本支店会計・連結会計の3つがあります。 まずは、会社の合併から見ていきましょう。 合併のイメージ 合併とは、2つ(以上)の会社が合体して、1つの会社となるこ…

有形固定資産その10~減価償却~

2級の減価償却の計算方法には、定率法と生産高比例法があります。 定率法 定率法とは、期首時点の帳簿価額(未償却残高)に一定の償却率を掛けて減価償却費を計算します。 特徴としては、始めは減価償却費が高く計上されますが、徐々に低くなっていきます。 …

株式の発行と剰余金の配当その3~剰余金の配当~

3級ではすでに問題文で示された剰余金の配当を未払配当金(負債)とし、会社法で決められた一定額を利益準備金(純資産)に振り替える処理を学習しました。 今回は、「会社法で決められた一定額」にスポットを当てて、実際に計算するところを学習していきま…

株式の発行と剰余金の配当その2~株式の発行~

3級でも基本的なことをやりました。今回はもう少し掘り下げて説明していきたいと思います。まずは、株式の発行からです。 株式の設立発行 会社の設立にあたり、株式を発行したときは、原則として、その全額を資本金(純資産)で処理します。 例)マーズ株式…