問 次の文章の(ア)から(カ)にあてはまる最も適切な語句を[語群]から選択し、番号で答えなさい。
1.前期以前に貸倒れとして処理した売掛金について、当期にその一部を回収したときは、その回収金額を収益勘定である(ア)勘定で処理する。
2.株式会社が繰越利益剰余金を財源として配当を行ったときは、会社法で定められた上限額に達するまでは一定額を(イ)として積み立てなければならない。
3.主要簿は、仕訳帳と(ウ)のことである。
4.すでに取得済みの有形固定資産の修理、改良などのために支出した金額のうち、その有形固定資産の使用可能期間を延長または価値を増加させる部分を(エ)支出という。
5.当期中に生じた収益合計から費用合計を差し引いて当期純利益(または当期純損失)を求める計算方法を(オ)という。
6.仕訳の内容を勘定口座に記入する手続きを(カ)という。
[語群]
①資本金 ②総勘定元帳 ③分記法 ④転記 ⑤合計残高試算表 ⑥収益的 ⑦損益法 ⑧貸倒引当金戻入 ⑨差入保証金 ⑩資本的 ⑪利益準備金 ⑫決算 ⑬精算表 ⑭財産法 ⑮償却債権取立益 ⑯擬制的 ⑰締切り ⑱受取手数料
第4問の1 貸倒れで処理した債権回収
前期分の売掛債権が貸倒れとなった場合、貸倒引当金を差し引いた残額を貸倒損失(費用)として処理をします。
そのあと倒産した会社を巡って、同じような債権者が残った財産に対して、自社の債権を少しでも回収しようと紛争状態になります。そして、裁判や調停を行った結果、全額とはいかないものの一部を回収できるかも知れません。
前期の決算が終了すると、また損益がリセットしますから、貸倒損失を取り消すことはできません。したがって、償却債権取立益(収益)という新たな収益として計上します。正解は⑮となります。
この長い単語は一見覚えにくそうですが、一度覚えたら呪文のように離れていかないものです。まるで北斗の拳の「北斗有情破顔拳」「北斗有情猛翔破」のようなものです。
第4問の2 準備金の積立て
詳しくは2級で勉強する範囲ですが、配当を行うには、そのための積立金を資本金とは別に積み立てておかなければなりません。その財布のような役割をするのが利益準備金(純資産)です。正解は⑪となります。
第4問の3 主要簿
簿記の帳簿には、主要簿、補助簿、財務諸表等決算書関係の3つがあります。そのうち、主要簿は仕訳帳と総勘定元帳の2つだけです。正解は②となります。
第4問の4 資本的支出と収益的支出
有形固定資産を修理した結果、耐用年数が増えたり、使用価値が高まった場合、その分固定資産自体の金額を増やす処理をしなければなりません。この支出のことを資本的支出といいます。
いっぽう、有形固定資産を修理した結果、現状維持の状態に戻した程度に収まる場合には、修繕費(費用)として処理します。この支出のことを収益的支出といいます。正解は⑩となります。
第4問の5 当期純利益の計算方法
2つの財務諸表には、当期純利益が計上されます。なお、貸借対照表の当期純利益は、純資産の部の繰越利益剰余金の中に含まれています。
貸借対照表から導き出す方法を財産法といい、損益計算書から導き出す方法を損益法といいます。正解は⑦となります。
財産法:資産合計ー(負債合計+期首純資産合計)
損益法:収益合計-費用合計
第4問の5 仕訳帳から総勘定元帳への記入
仕訳帳に記入した取引内容を各総勘定元帳に写す作業を転記といいます。正解は④となります。