2019年4月から、個人商店を対象としていたものが、株式会社にシフトチェンジしました。
株式会社は、株式を発行して資金を集めて、経営を行っています。そして、経営で得た利益の一部を株主に配当しています。
上記の図は、2級で出てくる株主資本等変動計算書でも使うことになるので、覚えておいてください。
株式の発行
まずは、資金の調達のために株式を発行する場合の仕訳です。株式の発行のタイミングは、会社設立のときの初期の資金調達(新規発行)と経営拡大のため等の理由による資金調達(増資)があります。
発行するためには、諸経費が掛かりますが、これは2級の範囲です。したがって、新規発行も増資も同じ仕訳となります。
借方については、資金調達の結果、お金が入ってくることとなります。その資金の入り口である当座預金(資産)の増加となります。
また、貸方については、資金調達の目的である資本金(純資産)の増加となります。
例)マーズ株式会社は、会社の設立にあたり、株式50株を1株あたり10,000円で発行し、全株式の払い込みを受け、払込金額は当座預金とした。
(当座預金)500,000/(資本金)500,000
例)マーズ株式会社は、増資のため、新たに株式10株(@12,000円)で発行し、全株式の払い込みを受け、払込金額は当座預金とした。
(当座預金)120,000/(資本金)120,000
剰余金の配当
次は、剰余金の配当です。剰余金とは、会社の経営実績により得ることができた利益のうち、まだ使い道が決まっていないものをいいます。
決算により、当期の利益が確定すると、まずは繰越利益剰余金(純資産)に、いったんプールされます。その後、使い道が決まったものから順次、振り分けられていきます。
①剰余金の配当額が確定したとき
株主への配当額が確定したら、繰越利益剰余金(純資産)から未払配当金(負債)に振り替えます。
また、この処理と同時に、利益準備金を積み立てなければならないことが会社法で定められているため、一定額を繰越利益剰余金(純資産)から利益準備金(純資産)へ振り替えます。
利益準備金の内容、その計算方法などは2級でまた詳しく説明します。いまのところは、文字通り、利益配当のための準備金とでも覚えておいてください。
例)マーズ株式会社の株主総会において、繰越利益剰余金を財源として、株主配当金が100,000円、利益準備金が10,000円と決定した。
(繰越利益剰余金)110,000/(未払配当金)100,000
/(利益準備金)10,000
②配当金を支払ったとき
株主へ配当金を支払ったときは、未払配当金(負債)の減少として処理します。
例)上記①の配当日が到来し、株主配当金100,000円を当座預金口座から支払った。
(未払配当金)100,000/(当座預金)100,000