問 答案用紙の×7年1月31日の残高試算表と[×7年2月中の取引]にもとづいて、答案用紙の×7年2月28日の残高試算表を完成しなさい。
[×2年2月中の取引]
1日 商品¥500,000を掛けで仕入れ、当社負担の引取運賃¥20,000を現金で支払った。
2日 商品¥800,000を掛けで売り上げた。
4日 売掛金¥500,000が近畿銀行の当座預金口座に振り込まれた。
5日 買掛金¥130,000を近畿銀行の当座預金口座から支払った。
8日 商品¥390,000を掛けで売り上げた。
9日 商品¥450,000を掛けで仕入れた。
10日 所得税の源泉徴収額¥7,000を近畿銀行の当座預金口座から納付した。
11日 電子記録債権¥200,000が決済され、関東銀行の当座預金口座に振り込まれた。
12日 電子記録債務¥120,000が決済され、関東銀行の当座預金口座から支払われた。
17日 売掛金¥900,000について、電子記録債務の発生記録を行った。
18日 前期からの電子記録債権が貸倒れとなった。貸倒引当金の残高はゼロである。
19日 買掛金¥700,000について、電子記録債務の発生記録を行った。
22日 受取手形¥75,000が決済され、近畿銀行の当座預金口座に振り込まれた。
23日 関東銀行の当座預金口座から近畿銀行の当座預金口座に¥50,000を送金した。
24日 支払手形¥170,000が決済され、近畿銀行の当座預金口座から引き落とされた。
25日 従業員の給料¥140,000から所得税の源泉徴収額¥6,000を差し引いた残額を関東銀行の当座預金口座から振り込んだ。
28日 水道光熱費¥12,000および通信費¥9,000が関東銀行の当座預金口座から引き落とされた。
各取引の仕訳
試算表の作成の場合、取引の日付について採点は全く関係はありません。ということで、なるべく同じ取引については、金額を合わせて解くようにしています。
本問でいえば1日と9日の仕入、2日と8日の売上は一つにまとめることができます。
1日 商品¥500,000¥950,000を掛けで仕入れ、当社負担の引取運賃¥20,000を現金で支払った。
2日 商品¥800,000¥1,190,000を掛けで売り上げた。
8日 商品¥390,000を掛けで売り上げた。
9日 商品¥450,000を掛けで仕入れた。
大したテクニックではないので、そのまま問題文のとおり仕訳を行っても構いません。
後から仕訳をした各勘定科目を加減していくので、なるべく整理をして見やすくすれば効果的ですが、この段階の足し算を間違えると単純ミスにつながります。その点を考慮して使っていただければと思います。
それでは、特に難しいものはないと思われますので、各取引の仕訳を一気に示します。
1日(仕入)970,000/(買掛金)950,000
/(現金)20,000
2日(売掛金)1,190,000/(売上)1,190,000
4日(当座預金近畿銀行)500,000/(売掛金)500,000
※残高試算表から当座預金が近畿銀行と関東銀行に分かれていますので注意してください。
5日(買掛金)130,000/(当座預金近畿銀行)130,000
8日(2日と合算)
9日(1日と合算)
10日(所得税預り金)7,000/(当座預金近畿銀行)7,000
11日(当座預金関東銀行)200,000/(電子記録債権)200,000
12日(電子記録債務)120,000/(当座預金関東銀行)120,000
17日(電子記録債権)900,000/(売掛金)900,000
※発生記録とは、掛代金をオンライン管理することですから、売掛金(資産)から電子記録債権(資産)に振り替えます。
18日(貸倒損失)10,000/(電子記録債権)10,000
※通常は前期の貸し倒れについて貸倒引当金を使いますが、残高がないのでそのまま貸倒損失(費用)で処理します。なお、当期の貸し倒れについては貸倒引当金の残高があっても貸倒損失で処理します。
19日(買掛金)700,000/(電子記録債務)700,000
※17日と同じように買掛金(負債)から電子記録債務(負債)に振り替えます。
22日(当座預金近畿銀行)75,000/(受取手形)75,000
23日(当座預金近畿銀行)50,000/(当座預金関東銀行)50,000
24日(支払手形)170,000/(当座預金近畿銀行)170,000
25日(給料)140,000/(所得税預り金)6,000
28日(水道光熱費)12,000/(当座預金関東銀行)21,000
(通信費)9,000/
各勘定科目の残高
残高試算表の順番に1月31日の残高を加減して配布されたメモ用紙に記入していきます。計算の表示の仕方は、実際の電卓計算に合わせています。たとえば現金などの資産であれば、残高試算表の残高からすべての借方を足していって、次にすべての貸方を引いていく作業と思われます。
もし、日付順にそのつど足したり引いたりすると、電卓の打ち間違えを引き起こしてしまうので、この方法をおすすめします。
現金:126,000-20,000(1日)=106,000
当座預金近畿銀行:250,000+500,000(2日)+75,000(22日)+50,000(23日)-130,000(5日)-7,000(10日)-170,000(24日)=568,000
当座預金関東銀行:390,000+200,000(11日)-120,000(12日)-50,000(23日)-134,000(25日)-21,000(28日)=265,000
受取手形:100,000-75,000(22日)=25,000
売掛金:480,000+1,190,000(2日)-500,000(4日)-900,000(17日)=270,000
電子記録債権:270,000+900,000(17日)-200,000(11日)-10,000(18日)=960,000
支払手形:190,000-170,000(24日)=20,000
買掛金:330,000+950,000(1日)-130,000(5日)-700,000(19日)=450,000
電子記録債務:160,000+700,000(19日)-120,000(12日)=740,000
所得税預り金:7,000+6,000(25日)-7,000(10日)=6,000
売上:12,000,000+1,190,000(2日)=13,190,000
仕入:9,600,000+970,000(1日)=10,570,000
給料:1,400,000+140,000(25日)=1,540,000
通信費:87,000+9,000(28日)=96,000
水道光熱費:110,000+12,000(28日)=122,000
( )の中には、貸倒損失が入ります。
貸倒損失:10,000(18日)
解答用紙への記入
最後に、この結果を解答用紙に記入して終了です。
この表には灰色刷りした箇所があります。この部分については2月中の取引がなく、そのままの金額がスライドしてくるものです。つまり、各取引を一生懸命解かなくても書ける場所ですから、採点箇所ではありません。また、大体の決算書関係の合計は合計欄にも採点がありません。したがって、この状態で満点取れるということになります。
時間に追われている方は、その部分を飛ばして次の問題を解きに行きましょう。そして、問題全体が終わって見直し(検算)ができる体制になってから、すべてを埋めることになります。ここで、合計が合わないとどこかが間違っていることとなります。
ポイントは、本試験では「完璧な残高試算表を要求していない!」ということを念頭に置いていただければ、今後の時間配分も楽にいくのではないでしょうか。もちろん、実際の経理では、お話になりませんが…。
2級でも、この原則はほとんど当てはまりますので、覚えておいてください。
※例外なのは、2級での株主資本等変動計算書ぐらいでしょうか。