前回に引き続き、銀行勘定調整表の後半です。今回は企業側の処理になるので、仕訳を伴います。
④入金(出金)連絡未通知
売掛金などの回収のために入金があったり、水道光熱費などの引き落としがあって、預金口座残高の変動の連絡がきていない状態のことです。
企業側としては、その未通知の一つ一つを処理しなければなりません。
例)売掛金回収のため6,000円が当座預金口座に振り込まれていたにもかかわらず、連絡が未達だった。
*処理すべき仕訳*
⑤未渡小切手
取引先に渡す予定で小切手を作成し、仕訳済みであるにもかかわらず、実際には取引先には渡すことができず、月末調べてみると金庫にその小切手が残ってしまっている状態の場合、銀行では出金処理がなされていないため、不一致が生じます。この場合は、いったん仕訳をした処理を元に戻す仕訳をしなければなりません。
例)買掛金15,000円の支払いのため小切手を振り出したが、金庫に保管されたままであることが判明した。
*以前行っていた仕訳*
(買掛金)15,000/(当座預金)15,000
*処理すべき仕訳*
(当座預金)15,000/(買掛金)15,000
⑥誤記入
これはただ単純に仕訳が間違っていて、企業側に不一致が生じた状態です。正しい仕訳にし直せば解消することができます。
例)売掛金20,000円の口座振り込みを誤って28,000円と記入していたことが判明した。
*以前行っていた仕訳*
*正しい仕訳*
当座預金に8,000円多く振り込まれたことにしているので、その分を減らす仕訳をします。
*処理すべき仕訳*
まとめ
銀行勘定調整表は、この6種類をしっかり分類し、作成することが必要です。そのため、割と苦手とする受験生も多いようです。152回で出題されましたので、しばらくは出ないと思いますが、ごくまれに2回連続出題されることもあり得ますので、基本だけは押さえておきましょう。