次の現金出納帳、売上帳および買掛金元帳の記入にもとづいて、下記の問に答えなさい。
問 答案用紙の各日付の仕訳を示しなさい。ただし、勘定科目は、次の最も適当と思われるものを選び、正確に記入すること。なお、当月末(28日)に現金の帳簿残高と実際有高(¥326,000)の差額を現金過不足として処理すること。
現金 現金過不足 売掛金 立替金 買掛金 仕入 売上 支払運賃
※答案用紙には、5日、14日、25日、28日の解答を求めている。
現金出納帳の完成
まずは、現金出納帳の穴埋めをします。これは28日の仕訳に影響するので、そのときでもいいのですが、個人的に気持ちが悪いので先にやっています。
2月14日の取引内容がわかればすぐに解決します。他の補助簿を見てみると売上帳にその記録がされています。金額が400,000円となっていますので、現金出納帳にそれを記入して、残高を記入すれば完成です。
これで問題が埋まりましたので、順番に仕訳していきましょう。
2月5日の取引
5日に関する補助簿は、現金出納帳と買掛金元帳です。まずは、現金出納帳を見てみましょう。
3,000円を現金支出していますので、貸方にその旨記入します。
(???)3,000/(現金)3,000
摘要欄を見ると、仕入の引取運賃支払いとなっていますから、相手勘定は仕入(費用)で処理します。仕入れた際の引取運賃を当方で負担するときは、仕入諸掛として仕入金額に含めて処理します。
(仕入)3,000/(現金)3,000
次に買掛金元帳を見ます。もうお分かりと思いますが、仕入諸掛があるということは、仕入れの本体がなければなりません。
仕入金額は200,000円で掛け取引で処理していますので、以下の仕訳となります。
(仕入)200,000/(買掛金)200,000
これを合わせると正解となります。
【正解の仕訳】
(仕入)203,000/(買掛金)200,000
/(現金)3,000
2月14日の取引
14日に関する補助簿は、現金出納帳と売上帳です。どちらも同じ内容のことが書かれているので、片方見れば仕訳ができます。
どちらも400,000円の売上が現金でなされたことが示されています。これを仕訳すればOKです。
【正解の仕訳】
(現金)400,000/(売上)400,000
2月25日の取引
25日に関する補助簿は、現金出納簿と買掛金元帳です。それぞれの金額が違うので、どうやら違う内容が書かれているようです。
今回はわかりやすくするために現金出納帳から見ていきます。返品に係る運賃を現金で2,000円支払っています。
(???)2,000/(現金)2,000
そして、この運賃は取引先である多摩商店が負担することとなっていますから、勘定科目一覧の「支払運賃」を使うことはありません。もう少し読んでみると、「掛代金から差し引く」と書かれています。
もともと多摩商店には買掛金がありましたが、本来払うべき運賃をこちらで肩代わりしてあげたので、買掛金から相殺することにしました。相手勘定は買掛金(負債)となります。
(買掛金)2,000/(現金)2,000
次に買掛金元帳を見てみましょう。買掛金の総額は52,000円です。
(買掛金)52,000/(現金)2,000
/(???)50,000
もう一度摘要欄を見ると、「返品商品の代金、運賃」と書かれています。買掛金総額52,000円のうち運賃が2,000円ですから、50,000円の商品を返品したことがわかります。
したがって、(???)は仕入(費用)になります。
【正解の仕訳】
(買掛金)52,000/(現金)2,000
/(仕入)50,000
2月28日の取引
2月28日に関する補助簿の取引は直接はありません。しかし、問には「なお~」から現金過不足が発生していることが書かれています。したがって、現金出納簿の最終残高を確認すると、28日時点で帳簿上は325,000円となっています。そして、実際の現金は326,000円あります。その結果、1,000円多いのですから現金を実際の金額に合わせなければなりません。そこで現金を1,000円増やします。
(現金)1,000/(???)1,000
差額は「現金過不足」と最後に書かれていますので、それを記入すれば完成となります。
【正解の仕訳】
(現金)1,000/(現金過不足)1,000