ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

156回日商簿記2級の解答について~第5問 直接原価計算(CVP分析)②~

前回に引き続き、損益分岐点売上高からです。

損益分岐点売上高の計算

損益分岐点売上高とは、営業利益がちょうどゼロとなる売上高をいいます。これより売上高が落ち込むと赤字になる指針となります。

計算のしかたは、生産量・販売量をχとして、損益計算書を作成します。

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変動費の単価:@400円+@140円+@80円=620円

損益分岐点売上高は基本的に方程式で計算します。表中から④の答えは、3,400,000円となります。

直接原価計算と全部原価計算の違い

今までは生産量=販売量でしたが、月末在庫が余ってしまった場合(生産量>販売量)どうなるのかということが焦点となっています。

資料⑴固定加工費の( )書きにヒントが書かれています。全部原価計算では、固定加工費は販売量/生産量で計算します。

問題では生産量5,000個に対して販売量が4,000個になっていますので、以下の通りとなります。

全部原価計算による固定加工費:840,000円×4,000個/5,000個=672,000円

その他は直接原価計算と同じ計算方法(@4,000個で計算)となります。

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以上により⑤の答え228,000円⑥の答え396,000円となります。

全部原価計算の方は、固定加工費の部分で1,000個余計に製造しているにもかかわらず、その分を翌月回し(売れたときに改めて計上)にしています。そのため、直接原価計算より営業利益が増える結果となってしまうのです。

純粋に利益を知りたいときには直接原価計算が適していることとなります。