前回で154回の解答解説が終了し、本題に戻ってきました。前回のつながりを忘れている方は、どうぞ前に戻ってご確認ください。本日は、直接原価計算の第4回目です。
例)ニッショウ産業は、全国にカフェチェーンを展開している。現在、大門駅前店の利益計画を作成している。10月の利益計画では、売上高は3,500,000円であり、変動費と固定費は次の【資料】のとおりであった。11月の利益計画は、変動費率と固定費額について10月と同じ条件で作成する。下記の問いに答えなさい。
【資料】
①変動費
食材費 805,000円
アルバイト給料 420,000円
その他 70,000円
②固定費
正社員給料 650,000円
水道光熱費 515,000円
支払家賃 440,000円
その他 285,000円
目標営業利益率を達成するための売上高
前回は目標営業利益でしたが、○%の目標を掲げるのように目標営業利益率で出題されることがあります。150回では出題されなかったため、この題材を使った類題を作成しました。
問 目標営業利益率23%としたときの売上高を計算しなさい。
まずは、金額をまとめた損益計算書をご覧ください。
営業利益が23%となっています。これは売上高に対するものなので0.23Ⅹとなります。
貢献利益以下を方程式にして解いてみます。
0.63Ⅹ-1,890,000=0.23Ⅹ
0.63Ⅹ-0.23Ⅹ=1,890,000
0.4Ⅹ=1,890,000
Ⅹ=1,890,000÷0.4=4,725,000円
問の答え 4,725,000円
目標営業利益率の公式は、以下のとおりです。
安全余裕率
損益分岐点売上高は、どれだけ売り上げを上げたら利益がプラスになるかの指標でした。逆のいい方をすると、どれだけ売り上げが下がったら赤字になるのかということもいえます。
安全余裕率とは、予想売上高または実際売上高が損益分岐点をどれだけ上回っているかの指標となります。つまり、この数値が高いと会社経営が安全であることを意味します。
これも過去問を使って解くのですが、問題が少し違うのでまた題材だけピックアップします。
問4 11月の売上高は3,750,000円と予想されている。11月の利益計画における貢献利益と営業利益を計算しなさい。
まずは、この問題を解いてから安全余裕率を出すこととします。
貢献利益率は63%でした。これに基づいて解けば最初の貢献利益は楽勝でしょう。
貢献利益:3,750,000円×63%=2,362,500円
これに固定費を差し引けば営業利益は出ますね。
営業利益:2,362,500円ー1,890,000円=472,500円
問4の答え 貢献利益 2,362,500円 営業利益 472,500円
ここまでが、本試験問題です。次にこのときの安全余裕率を計算しましょう。
最初に公式を見てください。
予想売上高は3,750,000円です。そして、損益分岐点売上高は問2で出した通り3,000,000円となっています。これを公式に当てはめると次のとおりとなります。
安全余裕率:(3,750,000-3,000,000)/3,750,000=0.2(20%)
2級のCVP分析で出題されるのは、この4つです。以下の公式をまとめましたので覚えられる方は公式を使えばすんなり解けることと思います。また、公式が覚えにくいという方には、損益計算書から方程式で解く方法をおすすめします。