勘定科目
簿記の取引が発生すると記帳をしますが、その記帳をする作業を「仕訳する」といい、その1つの作業単位を「仕訳」といいます。
これから、仕訳をするにあたっては、「現金」とか「建物」とかいう名称が使われます。この1つ1つの名称を「勘定科目」(単に「勘定」とか「科目」)といいます。
仕訳には、いくつかのルールがあります。
前回、取引の二面性でお話ししました内容を仕訳にすると以下のとおりです。
例)現金10万円を銀行(普通預金)から払い戻した。
(現金)100,000 /(普通預金)100,000
取引の二面性ですから、必ず、左側と右側が存在します。このとき左側を「借方」、右側を「貸方」といいます。
商業科の高校などでは、定番の覚え方ですが、かりかたの「り」が左にはらっているので、左側。かしかたの「し」が右にはらっているので右側で覚えます。
勘定科目の分類
勘定科目には、大きく分けて5つの種類があります。
①資産
現金や預貯金、不動産などの財産や、後から財産になる権利を資産といいます。
②負債
借金や後から返済しなければならない義務を負債といいます。借金も負の財産と言ったりしますよね。
③純資産(資本)
会社やお店を始める際の出資金などの元手や、商いをしたことの儲けを貯めておく目に見えない財布のようなモノを純資産(資本)といいます。
「純」資産の名の通り、資産から負債を差し引いた残りの価値です。この部分は、その会社や店舗、事業所がどれだけの価値があるのかがわかる重要なパラメーターとなるものです。いくら資産があるといっても、負債がそれ以上に多ければ、その会社は倒産(資産が倒れる)してしまいます。
ちなみに、過去にこの項目は「資本」と呼ばれていました(少なくとも私が高校生の時ですから26年前)。いつの間にか呼び名が変わったようです。
資産-負債=純資産(資本)
これが貸借対照表作成の基礎となります。
④収益
モノを売ったり、サービスを提供したりして得られた収入のことを収益といいます。
⑤費用
会社や事業を経営するには、家賃や水道代、電気代、従業員の給料などさまざまな経費がかかります。それらの収益を得るためにかかった支出の事を費用といいます。
収益から費用を差し引いた金額が純利益となります。
純利益の算出は、一定期間内(大抵は1年間)に行われますので、その期間内である「当期」をつけて呼びます。
収益-費用=当期純利益
こちらは損益計算書の基礎となります。