各資格の勉強時間の目安と合格率について①
あえて記事にする必要はなかったのですが、自分やマーズオフィス個別指導部門の受講生のために備忘録的に残しておこうと思います。
日商簿記
日本商工会議所主催の簿記検定です。6月・11月・2月(2月には1級の実施なし)に試験があります。
一般的に3級があれば、事務職の求人としては一般的です。ただし、2級の人がいれば、そちらの方が選ばれるでしょうね。2級については、税理士事務所などで指定されている場合があります。そして1級については大企業での経理でなければ使うこともないので、どちらかというと自ら税理士試験の受験資格を得るために取得する方が多いでしょう。
総合的には、簿記2級があれば、事務職の求人にも有利といえます。
合格率 1級:10% 2級:10~20% 3級:40~50%
合格点 100点満点中70点以上(ただし、1級については各科目の足切りあり)
学習時間 1級:800時間 2級:250時間 3級:50時間
ただし、3級は2019年度に2級の範囲が多く下りてきたため、もう少し増えたかもしれません。
ファイナンシャルプランニング技能士(FP)
人生の生活設計をお金の面に関してアドバイスするスペシャリストです。銀行などの金融機関、保険業界、不動産業界など幅広いニーズが期待できます。
上記の就職にはもちろんですが、就職した後に取得する方が多いと思います。2級FPに合格するとFP協会主催のAFP認定を受けることにより、単独の仕事とすることができます。ただし、年会費はかかりますが、会報での情報の現行化、単位取得の義務化により、常に最新の知識を維持できるようなシステムなっています。
また上位のCFP認定(国際資格)により、FP事務所を開業する方もいます。他のコンサルティング業と相性が良く、弁護士や税理士などの士業もFP技能士を取得するケースが増えてきています。
日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2つの主催があり、学科は同じですが、実技試験は若干内容が異なります。5月・9月・1月に試験があります。
試験会場も主催で異なりますので、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
合格率 CFP:7% 1級:10~15% 2級:50%前後 3級:70~80%
合格点 FP1級~3級:学科(60点)及び実技(50点)の60%
学習時間 CFP:250~500時間 1級:600時間 2級:150~300時間 3級:80~150時間
科目が6種類(ライフプランニングと資金計画、リスクマネジメント、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続と事業承継)あります。先ほど申し上げた通り、実際に実務をされている方が受験していることが多いため、勉強時間に大きく幅が出ています。金融業界にいる方なら金融資産運用や相続などは得意分野ということで学習時間は抑えられます。
また、原則、飛び級が認められていないため、通常は3級からコツコツと受験することになるでしょう。
学科と実技があり、一部合格すれば、次回以降の受験(合格した受験日を基準として翌々年度まで)は免除されます。そのため、1月は学科、5月は実技などに分けて学習することもできるので、合格率も高めとなっています。
CFPについては、科目合格が認められているので、毎年1科目ずつ受けて、6科目すべて合格することでCFP認定という方法もあります。
宅地建物取引士(宅建士)
不動産業界では、必須とされている資格となります。不動産取引において、売買契約書の記名押印・重要事項の説明は宅建士でないとすることができません。
また、不動産関係の事務所に従事する5名に1名が宅建士でなければならないとする要件もあります。FPには不動産の科目があるので、そこから派生していく方もいます。
試験科目は、宅建業法、都市計画法、建築基準法、民法、借地借家法など多彩の法令と土地建物に関する税金、統計なども出題されます。
毎年、10月第3日曜日の1回のみの実施となっています。受験料も7,000円と高めです。
合格率 15%
合格点 50点中 32~36点程度(毎年異なるが、概ね7割程度取れれば合格できる。)
学習時間 350~400時間