ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

収益の認識基準の考え方

このブログも作り始めてから4年経過しました。ここ2年はあまり更新していないのも関わらずアクセス数は上昇し続けており、大変感謝しております。

2022年12月3日現在

日商簿記に関係ないものなど少し整理をしました。今回は、今年の4月から出題範囲となった「収益の認識基準」を解説したいと思います。ずっとこれだけ抜けていたので1年近く気にしていましたが、これで2級は大体はサポートできる形になりそうです。

収益認識の認識基準とは?

収益の認識基準とは、獲得した収益をいつの時点で計上すればよいのかという考え方を示した基準となります。

まずは、今までのおさらいをしてみましょう。以下の流れによって契約が進行していきますが、どの時点で売り上げを計上したらいいのでしょうか。

契約時:お客さまとの契約書を作成し、サインをした日

履行時:お客さまへ商品の引き渡しまたはサービスの提供を完了した日

代金請求時:お客さまに対し、代金を請求した日

代金領収時:お客さまとの代金決済が完了した日

正解は②履行時となります。大体は②と③は同時期になると思います。

レストランへ行って、メニューの中から食べたいものを注文します(①契約時)。その後、注文した食事が届いて(②履行時)、店員さんが伝票を置いていきます(③代金請求時)。食事が終わったら、レジにて会計を済ませます(④代金領収時)。

1日で終わる取引であっても、この4つのタイミングは必ず発生します。ただし、簿記的には日付が変わらないので結果は変わりませんが・・・。

例えば、①契約時に代金を受け取ったなら、これは前受金で計上します。また、②履行時売上が計上され、代金回収が後日となれば売掛金が同時に計上されます。その後、④代金領収時で代金を受け取ったなら、売掛金の回収となります。

実務(税務上)においては、実は年度さえ変わらなければどのタイミングで計上しても問題ないんですよね。ただし、今日は①契約時に計上し、次の日は④料金領収時ということにはなりませんが・・・。確定申告をするときには、きちんと②履行時に合わせるよう決算整理仕訳で調整しないとなりません。

ここまでが、今まで学習してきた内容となります。今回の収益基準の認識においては、同じ商品・サービスであっても、そのものに対し保守がセットでついているなど付加価値があって、それが終了するまで売上を計上できないという考え方を学習します。

商品を引き渡したのに売上を立てられないのはきついので、実際には、商品売買と保守を別々の契約で行うことがあります。

収益認識の5つのステップ

ここでは、商品売買と保守サービスがセットとなっている事例でお話していきます。

【事例】

  1. (株)マーズ設備(会計年度4月1日~翌3月31日)は、4月1日に冷蔵庫の販売と2年間の保守サービスを提供する1つの契約を締結した。
  2. 当社は、契約同日(4月1日)に冷蔵庫を引き渡し、2年間の保守サービスを行う。
  3. 契約書に記載された対価の額は、250,000円(商品の対価は220,000円、保守サービスの対価は30,000円)である。
  4. 商品の引き渡し時に対価250,000円を現金で受け取る。

ステップ1 顧客との契約を識別する。

今回の契約が収益認識基準を採用する一定の契約に該当するかを判定します。実際の問題では、この要件はすでにクリアしているものとし、特に気にしなくてもよいステップとなります。

ステップ2 商品売買と保守サービスの提供を履行義務として識別する。

商品(冷蔵庫)の販売と保守サービスの提供を履行義務として識別し、それぞれ独立した収益認識の単位とします。セット販売なんだけど、「商品の販売」と「保守サービスの提供」を別個の取引として分けて考えることとなります。

ステップ3 取引価格の算定を行う。

商品(冷蔵庫)の販売と保守サービスの提供に対する取引価格を250,000円と算定します。

ステップ4 取引価格を各履行義務に配分する。

商品(冷蔵庫)の販売及び保守サービスの独立販売価格に基づき、取引価格250,000円を各履行義務に配分し、商品(冷蔵庫)の取引価格は220,000円、保守サービスの取引価格は30,000円とします。ここまでは、問題文のとおりです。

ステップ5 履行時期により収益の認識を行う。

履行義務の性質に基づき、商品(冷蔵庫)の販売一時点(4月1日)で履行義務を充足すると判断し、商品(冷蔵庫)の引き渡し時に収益を認識します。また、保守サービスの提供一定の期間(引き渡し時から2年間)にわたり履行義務を充足すると判断し、当期及び翌期の2年間にわたり収益を認識します。

商品の販売時における収益の認識

商品(冷蔵庫)は引き渡し時である4月1日に収益を認識するため、その日に売上を計上します。

保守サービスの提供における収益の認識

保守サービスの提供は引き渡し時から2年間となっているため、当期分と翌期分に分けて、当期末に当期分だけ売上を計上します。したがって、2年分の保守料30,000円÷2年=15,000円を当期末である3月31日に売上を計上します。

 

具体的な仕訳につきましては、次回以降にします。

久しぶりですがちょっとホームページの宣伝します。

現在、弊所(行政書士マーズオフィス)で会計の実務についてブログをやっています。そこの最初のブログでもお話ししている内容ですが、簿記の知識だけでは、実際の経理をすることは難しいと思います。実務には、簿記のテキストには出てこない勘定科目や、確定申告のための税務知識、給与計算のための労務知識などが必要となってきます。つまり、簿記の知識と会計実務は両輪の関係に立ち、どちらが欠けていても経理をマスターすることはできません。

そこで、個人事業者や一人会社(小規模の法人)に対して、会計実務に関するブログを開設しました。中規模以上の会社となると税理士や公認会計士が顧問として就くので、心配事があれば、相談することとなるでしょう。

しかし、節税のために会社設立をされている方を含み、個人事業者の数は法人よりも多いとされています。その方々は誰に相談すればいいのでしょうか。税理士に相談しようにもスポット(単発)の案件は、跳ね除けられるか、通常よりも高い金額となってしまうため、大抵は自分一人または家族経営で経理を行っている方がほとんどです。

2020年から2022年にかけて、持続化給付金、一時(月次)支援金、事業復活支援金などの申請を国で受け付けており、その申請代行を行政書士等が担っております。その必要書類に確定申告書があったので、さまざまな個人事業者の書類を拝見する機会が増えました。その中で会計知識が乏しく、他に相談する人がいなかったため、確定申告書に不備が見られ、最悪修正申告もできず、給付金を申請できない方も見受けられました。

税金を納めるためだけに作成してきた確定申告書と違う使われ方が出てきたため、今まで以上に会計知識を備える必要があります。

前置きが長くなりましたが、もし今後このブログで日商簿記検定を取得し、事業を始める方は、弊所ホームページにも目を通していただければと思います。

mars-office.jimdofree.com

 

売価・原価・利益の関係

現在、ポリテクセンターで簿記の授業をしていますが、時間の都合上どうしてもお話しすることができなかったため、ここで詳しく説明しようと思います。

連結修正仕訳でこの考え方は出てきますが、これが理解できないと点数を落とします。ちなみにこれらは小学校の算数で学ぶ項目となります。

売価:売り値のこと。簿記では、売上高の部分になります。

原価:元値(仕入れ値)のこと。簿記では、売上原価の部分になります。

利益:売り値-元値=利益となります。簿記では、売上総利益の部分になります。

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利益率と原価率

利益率とは、売価に対する利益の割合です。原価率とは、売価に対する原価の割合となります。

それぞれ、以下の式で計算することができます。

利益率=利益/売価×100(%)

原価率=原価/売価×100(%)

例えば、売価100円、原価80円、利益20円とします。このときの利益率と原価率はそれぞれ以下のとおりとなります。

利益率:20円/100円×100(%)=20%

原価率:80円/100円×100(%)=80%

問題では、連結修正仕訳における未実現利益の控除(棚卸商品)において売上総利益として登場します。

(利益)付加率

(利益)付加率とは、原価に対する利益の加算割合をいいます。以下の計算式で示されます。

付加率=利益/原価×100(%)

上記の例によると、利益率は以下のとおりとなります。

利益率:20円/80円×100(%)=25%

なお、問題では、「原価に〇%の利益を付加している」との形で出題されます。この場合、わかっている数字は、売価(売上高)と利益率になりますので、そこから利益を計算します。

売価は、原価+利益と分解することができますので、以下の計算式で利益を算出します。

原価=売価×利益/100%(原価割合)+利益率

  =売価×利益/(1+利益率)

したがって、100円×0.25(25%)/1.25(125%)=20円となります。

実際の例

156回の第3問連結貸借対照表の【資料3】肢4を例に問題を一部変更して解いてみます。

問題 P社より商品をS社に販売しており、原価に30%の利益を加算して単価を決定している。当期におけるP社の売上高のうち、S社向けの売上高は91,000千円である。このときのS社に対する売上総利益はいくらか。

 

∴ 91,000(千円)×0.3/1.3=21,000(千円)

ちなみに原価は91,000(千円)-21,000(千円)=70,000(千円)となります。

検算すると、【原価】70,000(千円)×30%=【利益】21,000(千円)となりますので、計算は合いますね。

 

この計算は、簿記1級でも学習する範囲となります。

 

 

 

2021年の試験変更について

みなさま、お久しぶりです。

10ヶ月ぶりの更新ですが、この度2022年に簿記の外部講師として、ポリテクセンターに恩返しする機会を得ることができました。

その間試験の解答解説も周りがやっていないので、何かあると思い自粛していました。

試験もネット試験との並行実施もあってガラッと内容が変わる中、それでも当ブログをご覧いただいている人数が延べ9万件を超すなど、大変ありがたい次第でございます。

授業もしなければならないので、今までのブランクをアップデートしながら、新たに1月の訓練生向けではあるものの足していきたいと思います。

2021年4月の出題範囲が改正されているので、(2022年4月にも出題範囲が改定)このブログも見直しして、2019年からの改正部分や誤っていた部分を修正作業しています。

とりあえず、消費税(税込方式)、一部の引当金、割戻し・割引あたりは削除していっています。

商品販売の分記法については、有価証券の売買で使える応用なので、一応残してあります。

ネット受験に関して、市販の模擬をやってみたところ、3級の精算表作成については、修正記入欄も採点箇所になっていました。3級については、従来から採点箇所になっていたのかも知れません。3級の攻略自体ほとんどやっていないので、ここら辺は保留です。2級の連結精算表の連結修正仕訳は従来通り採点箇所ではなかったようです。

よろしくお願いいたします。

156回日商簿記2級の解答について~第3問 連結貸借対照表の作成④~

今回の簿記2級の解説は今日で完結です。

 ⑦子会社の配当金の修正

この部分は利益剰余金と非支配株主持分の項目ですから、捨て問作戦の人は飛ばしてしまって構わないです。

今年度、S社はP社と非支配株主に配当を行っています。P社の方は利益剰余金には関係していますが、利益剰余金は計算しません。非支配株主へ10,000千円分配している分だけ内部利益として返還してもらいます。

非支配株主持分▲10,000千円

非支配株主持分は最後の方でないと確定しませんので、とりあえずメモっておきます。

⑧内部利益の控除(ダウンストリーム)

P社の売上とS社の売上原価の相殺ですが、どちらも損益科目ですからスルーします。

次に、期首商品棚卸高と期末商品棚卸高に30%の利益がついてしまっているので、原価に戻します。

期首商品については、基本編の仕訳の通り利益剰余金絡みですからスルーです。

今期の期末商品は、まだ商品(資産)として利益分が含まれているので、その利益分を差し引くこととなります。

期末の内部利益:6,500千円×0.3/1.3=1,500千円

商品▲1,500千円

解答:276,000千円(P社)+150,400千円(S社)-1,500千円=424,900千円

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⑨内部取引高の相殺消去(アップストリーム)

元々90,000千円の土地が80,000千円に減らされてP社へ移動しているので、元の金額に戻します。またアップストリームなので、非支配株主持分(純資産)に影響が出ます。

土地売却損(費用)としていたものが戻ってきたので10,000千円プラスになった40%分を非支配株主持分(純資産)に戻します。

土地10,000千円

非支配株主持分:10,000千円×40%=4,000千円

非支配株主持分は最後なので、土地のみを記入します。

解答:319,000千円(P社)+90,000千円(S社)+10,000千円=419,000千円

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⑩債権債務の相殺

[資料3]6.のデータをもとに売掛金・買掛金・未払金・未収入金を減額します。

売掛金:▲7,000千円

買掛金:▲7,000千円

未払金:▲80,000千円

未収入金:▲80,000千円

【解答】

売掛金:342,000千円(P社)+1,000千円(外貨建ての評価替え分)+180,000千円(S社)-7,000千円=516,000千円

買掛金:89,000千円(P社)+54,000千円(S社)-7,000千円=136,000千円

未払金:100,000千円(P社)+3,000千円(S社)-80,000千円=23,000千円

未収入金:80,000千円(S社)-80,000千円=0円

売掛金(資産)は、P社の残高を決算整理事項①で計算済みですから、S社の分を足せばいいだけです。未収入金(資産)は解答用紙にもないので、初めから0円確定です。

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ここまで記入が終えていれば、あとは利益剰余金と非支配株主持分だけですので、最低でも16点は取れています。

⑪子会社の当期純利益の振り替え

当期純利益:546,900千円-478,200千円=68,700千円

このうち40%は非支配株主の取り分なので非支配株主持分に加算します。

非支配株主持分:68,700千円×40%=+27,480千円

⑫非支配株主持分の計算

これですべての問題が終了しました。

まずは非支配株主持分の計算です。今までのメモ用紙から数字を拾って計算します。

【解答】

非支配株主持分:214,480千円(開始仕訳)-10,000千円(配当金修正)+4,000千円(土地内部利益の相殺)+27,480千円(当期利益の振替)=235,960千円

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 ⑬利益剰余金の計算及び連結貸借対照表の完成

利益剰余金以外の空欄は試算表のP社とS社の合計を出せば埋まります。その上で資産合計を計算すると2,230,140千円となります。

そこから負債純資産を差し引くと(貸借差額)、利益剰余金が求められます。

【解答】

利益剰余金:2,230,140千円(資産合計)-136,000千円(買掛金)-23,000千円(未払金)-98,600千円(退職給付に係る負債)-700,000千円(資本金)-440,000千円(資本剰余金)-235,960千円(非支配株主持分)=596,580千円

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 毎回話しますが、合計は無理して埋める必要はありません。これで完成です。

 

振り返りますと、第3問よりも第2問の方が時間がかかりそうです。わかるものから先に解いていく穴埋め方式の方が70点という絶対判定なので簿記検定では適しています。

 3級は仕事が忙しくなってきたせいもあって解説は今後も難しそうです。2級のみの解説となりますがよろしくお願いいたします。

156回日商簿記2級の解答について~第3問 連結貸借対照表の作成③~

前回の予備知識をもとに実際に解いていく実戦編です。

点数にならない箇所は書かなくてもいいので、時短のために省略します。

・合計欄

・試算表の数字を単純に足しているもの(現金預金・建物・備品)

・資本金、資本剰余金は開始仕訳があるものの、実際には子会社の数字は無視して親会社の数字を書くだけなので、配点なしです。

・意外と配点にならないのが当期純利益(利益剰余金)です。3級では配点濃厚となりますが、2級では1問2点なので配点が付けられる箇所が10ヵ所しかありません。解くには最後まで時間がかかりますので、戦略的には捨て問候補です。

今回は、貸借対照表なので、できる限り損益勘定は無視できるよう仕訳をしないで進めます。開始仕訳などは避けて通れませんが…。

また、第3問を解く際には、問題全体を一度軽く見ておくことをおすすめします。資料と資料の関係性があるものを最初に見つけておきます。

[資料2]1と2 貸倒引当金の設定

[資料2]4と[資料3]7 退職給付に係る負債

[資料3]1~3 開始仕訳

全体的に利益剰余金と非支配株主持分は関係していますので、10点程度でよいという考えであれば、その問題はスルーです。

それでは、決算整理事項から進めて行きましょう。

①P社の売掛金確定と貸倒引当金の設定

外貨建売掛金でいくら加減になるのか計算します。決算整理事項の中の1問ぐらいはその後の仕訳に影響が出る問題が潜んでいます。そして、それは最初の問題に多いです。

売掛金の加減額:12,000千円÷@120円×(@130円-@120円)=1,000千円

実際には、暗算で解けそうです。12,000千円のレートが@120だから、レート@130なら...13,000千円と考えられそうです。したがって1,000千円増えているということですね。

基準となる売掛金:342,000千円+1,000千円-7,000千円(対S社)=336,000千円

売掛金が確定したら1%を掛けます。差額補充法と書かれていますが、関係するのは損益計算書の作成のときだけです。貸借対照表の作成では、単純に1%を掛けたものが新しい貸倒引当金となります。

P社の貸倒引当金:336,000千円×1%=3,360千円

解答:3,360千円(P社)+1,800千円(S社)=5,160千円

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解答用紙抜粋(以下同じ)

②有形固定資産の減価償却

まずは建物からです。

建物減価償却累計額:234,000千円÷30年×11年=85,800千円

解答:85,800千円(P社)+30,000千円(S社)=115,800千円

今までの数字が「各自推定」となっていますが、今回11年目ですので、30分の11で解くことができます。

続いて備品ですが、これは定率法なので普通に解いた方が早いですね。数式もありそうですが、そちらの方が簿記の問題解くよりも難しそうです。

5分の1を小数点にして200%にすると0.4という計数が出てきます。

1回目の減価償却:100,000千円×0.4=40,000千円

2回目の減価償却:60,000千円×0.4=24,000千円

備品減価償却累計額:40,000千円+24,000千円=64,000千円

解答:64,000千円(P社)+10,000千円(S社)=74,000千円

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③退職給付引当金(退職給付に係る負債)の計算

[資料2]4.の6,800千円をただ足すだけですね。ちなみに[資料3]7.では追加処理はないと書かれています。

解答:72,000千円(P社)+19,800千円(S社)+6,800千円=98,600千円

退職給付引当金があればそのまま記入しますが、解答用紙には「退職給付に係る負債」となっていますので、そこに記入します。

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④前払費用の計上

基礎編でやった棒グラフが頭にあれば大丈夫だと思います。半年1期で2期で1年分。1期はみ出しているのでその分を前払費用(資産)で計上します。

前払費用:36,000千円(リース料)×1期/3期=12,000千円

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⑤開始仕訳

開始仕訳の過程は前回やりましたので、細かい解説は省略します。ここは仕訳があった方がいいと思います。

【連結修正仕訳】

(資本金)150,000/(子会社株式)400,000

(資本剰余金)150,000/(非支配株主持分)214,480

(利益剰余金)186,680/

(のれん)127,800/

その中でショートカットが3つあります。

その1 資本金と資本剰余金は親会社のみを記入

資本金700,000千円(P社)

資本剰余金160,000千円(P社)

連結といっても、その主体は親会社です。子会社のサイフの中身(純資産)は連結には載ってきません。

利益剰余金や非支配株主持分を捨て問とする場合には、記入不要です。

その2 のれんの数字は先に出す

今回、開始仕訳の中と当期分で2回償却が行われています。大体は償却年数は10年ですから、のれんの金額を出してしまってすぐ解答用紙に記入しましょう。

のれん(償却後):142,000千円×0.8(残り10回中8回)=113,600千円

その3 利益剰余金は計算しない

利益剰余金の金額を普通に計算で出すには複雑すぎます。解答用紙を順番に埋めていくと利益剰余金の解答部分だけ残ります。その上で借方合計から貸方合計を差し引くことで解答が出る最後のピースです。

したがって、途中の計算不要ということになります。

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開始仕訳はとりあえずここまでです。

⑥のれんの償却(当期分)

 先ほど処理は終わっていますので、スルーです。

 

長くなったので続きは次回にします。

156回日商簿記2級の解答について~第3問 連結貸借対照表の作成②~

今回は[資料3]の連結修正仕訳を中心に解説いたします。

 

[資料3]P社とS社の連結に際し、必要となる事項

1.P社は、X1年4月1日にS社の発行済株式総数の60%を400,000千円で取得し、これ以降S社を連結子会社とし、連結財務諸表を作成している。X1年4月1日時点でのS社の純資産の部は、次のとおりであった。

資本金 150,000千円

資本剰余金(すべて資本準備金) 150,000千円

利益剰余金(すべて繰越利益剰余金) 130,000千円

2.のれんは、発生年度から10年間にわたり定額法で償却を行っている。

3.S社は、前期は配当を実施していないが、当期は繰越利益剰余金を財源に25,000千円の配当を実施した。

4.前期よりP社より商品をS社に販売しており、前期・当期とも原価に30%の利益を加算して単価を決定している。当期におけるP社の売上高のうち、S社向けの売上高は91,000千円である。また、S社の期首商品のうち3,900千円および期末商品のうち6,500千円はP社から仕入れたものである。

5.S社は保有している土地90,000千円を決算日の直前に80,000千円でP社に売却しており、P社に売却しており、P社はそのまま保有している。未実現利益を全額相殺消去すること。

6.連結会社(P社およびS社)間での当期末の債権債務残高は、次のとおりである。なお、P社・S社とも、連結会社間の債券に関して、貸倒引当金を設定していない。

【P社のS社に対する債権債務】

売掛金 7,000千円

未払金 80,000千円

【S社のP社に対する債権債務】

買掛金 7,000千円

未収入金 80,000千円

7.退職給付に関し、連結にあたり追加で計上すべき事項は生じていないため、P社およびS社の個別上の数値をそのまま合算する。

X3年度の開始仕訳

 ①投資と資本の相殺仕訳

資本金+資本剰余金+利益剰余金=430,000千円がS社の純資産合計です。この60%分258,000千円を子会社株式(資産)として400,000千円で購入しました。残りの40%172,000千円非支配株主持分(純資産)となります。

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のれん(資産)は、400,000千円(購入)-258,000千円(元値)=142,000千円となります。

【仕訳】

(資本金)150,000/(子会社株式)400,000

(資本剰余金)150,000/(非支配株主持分)172,000

(利益剰余金)130,000/

(のれん)142,000/

②のれんの償却

次にのれんを10年で償却(定額法)します。

のれん償却:142,000千円÷10年=14,200千円

現在作業しているものは過去の取引についてです。過去の決算は終えてますので、その結果は利益剰余金に組み込まれています。したがって損益科目に関するものはすべて利益剰余金(純資産)として処理します。

なお、貸借対照表科目については、そのままの勘定科目を使用します。

【仕訳】

(利益剰余金(のれん償却))14,200/(のれん)14,200

③子会社の当期純損益の振り替え

X2年末の子会社の損益について、P社と非支配株主持分に振り替える作業です。

まずは以下の表をご覧ください。資料等でわかるものだけ表示しています。

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ここからX2年末の利益剰余金を出します。当期は配当金25,000千円を支出していますので、まずはその配当金を元に戻します。

X2年末の利益剰余金:211,200千円+25,000千円=236,200千円

次に元々あったX1年度の利益剰余金を差し引くと、X2年度の当期純損益がわかります。

X2年度の純損益:236,200千円-130,000千円=106,200千円(純利益)

このうち40%は非支配株主持分(純資産)のものとなりますので、その分を差し引くこととなります。相手勘定は、非支配株主に帰属する当期純利益ではなく、利益剰余金(純資産)です。

非支配株主持分の計上分:106,200千円×40%=42,480千円

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【仕訳】

(利益剰余金)42,480/(非支配株主持分)42,480

④開始仕訳

①~③の仕訳を合算したものが開始仕訳となります。

【連結修正仕訳】

(資本金)150,000/(子会社株式)400,000

(資本剰余金)150,000/(非支配株主持分)214,480

(利益剰余金)127,800/

(のれん)127,800/

※正確には「資本金当期首残高」とか入れないとならないのですが、書くと長いし、解答に意味がないので省いています。連結精算書には出てくる場合があるのでそのときは書きます。(マル首とか書いてわかるようにします。)その後の「非支配株主持分当期変動額」とかも記入するには長すぎます。実際の記入では、非支配株主持分を「非株」、非支配株主に帰属する当期純利益を「非帰」と略称で書くと時間短縮ですね。仕訳のメモ書きで正式名称で書く人いないと思いますが…

のれんの償却

時を戻して当期の仕訳をします。まずはのれん償却からです。開始仕訳で行ったものと同じ金額です。

なお、のれん償却(費用)は試算表にはありますが解答用紙にはなく、販売費及び一般管理費(費用)となっています。

したがって計算では試算表の勘定科目を使い、解答用紙にある勘定科目で記入することとなります。

【連結修正仕訳】

(販売費及び一般管理費)14,200/(のれん)14,200

子会社の配当金の修正

S社は当期25,000千円の配当金を以下の仕訳で支出しています。

(繰越利益剰余金)25,000/(現金預金)25,000

P社はそのうち15,000千円を受け取っています。

(現金預金)15,000/(受取配当金)15,000

残り10,000千円は非支配株主持分に流れています。そして、この一連の流れを一つの仕訳(連結)にまとめてみると以下のとおりとなります。

なお、P社とS社間の現金預金の行き来は相殺されます。

(繰越利益剰余金)25,000/(受取配当金)15,000

            /(非支配株主持分)10,000

この取引は一種の内部取引となりますので、逆仕訳をして無かったことにします。

こちらも解答用紙は繰越利益剰余金(純資産)ではなく、利益剰余金(純資産)となっています。

【連結修正仕訳】

(受取配当金)15,000/(利益剰余金)25,000

(非支配株主持分)10,000/

内部取引高の相殺消去(ダウンストリーム)

P社からS社への商品移動ですので、ダウンストリームとなります。ダウンストリームでは、P社の財産がS社に流れるため、S社の非支配株主にとやかく言われる筋合いはありません。ということで普通の仕訳となります。

①売上高と売上原価の相殺消去

[資料3]4.より91,000千円の売上はS社に対してのものなので、内部取引として逆仕訳で相殺消去します。

【連結修正仕訳】

(売上高)91,000/(売上原価)91,000

②内部利益の相殺消去

商品在庫には、30%の利益加算が行われています。したがって、その内部利益は期首商品・期末商品ともに原価に戻します。

期首商品の内部利益:3,900千円×0.3/1.3=900

前期の利益なので利益剰余金から減額します。相手勘定は売上原価(費用)となります。「仕繰繰仕」の期首商品は最初の「仕」で今年度の売上原価に加算されていますからその分減額します。

期末商品の内部利益:6,500千円×0.3/1.3=1,500

当期の在庫は「商品」として加算されています。また、「仕繰繰仕」の最後の「仕」で今年度の売上原価に減算されていますので、その分増額します。

【連結修正仕訳】

(利益剰余金)900/(売上原価)900

(売上原価)1,500/(商品)1,500

内部取引高の相殺消去(アップストリーム)

S社からP社への土地の移動です。これは、S社の(非持分)株主も「ちょっと待て!」となります。

S社の90,000千円の土地を10,000千円安くしてP社に売り渡しました。S社がその分損をする(土地売却損)こととなります。この穴埋めは、P社と非支配株主とで被ることとなります。

非支配株主は10,000千円×40%=4,000千円を非支配株主持分から差し引くこととなります。

【S社の売却時の仕訳】

(現金預金)80,000/(土地)90,000

(土地売却損)10,000/

(非支配株主持分)4,000/(非支配株主に帰属する当期純利益)4,000

ここまでよろしいでしょうか。

今回連結決算で、この売買は内部取引なので、無かったことにする仕訳が必要となります。

現金預金は相殺しても、連結決算には影響はありませんので無視です。土地は90,000千円から80,000千円に値下げしたので、その分を土地売却損と相殺します。

【連結修正仕訳】

(土地)10,000/(土地売却損)10,000

(非支配株主に帰属する当期純利益)4,000/(非支配株主持分)4,000

債権債務の相殺消去

[資料3]6.の項目はP⇒S、S⇒P、いずれも同額ですのでそのまま逆仕訳をして相殺消去します。

【連結修正仕訳】

(買掛金)7,000/(売掛金)7,000

(未収入金)80,000/(未払金)80,000

退職給付の件

P社とS社の退職給付引当金を合算するだけです。解答用紙は、退職給付に係る負債(負債)という勘定科目になっています。

子会社の当期純損益の振り替え

どこの段階でやってもOKですが、一番大掛かりな利益剰余金非支配株主持分については、時間がないときは捨て問となりますので、最後に持ってきています。

[資料3]のどこにも書かれていないので、忘れがちになりそうですが、今年度の利益の山分けは非常に重要です。

ブログ内ではわかりやすく親会社社長と非支配株主(非株くん)は共同経営者として考えます。損をしたときは共同で負担し、得をしたときは二人で分け合います。

ということで子会社の当期純損益をP社と非支配株主で分け合います。

[資料1]の文中にS社は決算整理後残高試算表と書かれています。つまり決算が終わっているので、ここからS社の損益計算書を作成します。

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収益合計546,900千円(売上)

費用合計:275,500千円(売上原価)+192,700千円(販管費)+10,000千円(土地売却損)=478,200千円 

当期純利益:546,900千円-478,200千円=68,700千円

この当期純利益の40%を非支配株主持分(純資産)に振り替えます。

非支配株主への振替額:68,700千円×40%=27,480千円

【連結修正仕訳】

(非支配株主に帰属する当期純利益)27,480/(非支配株主持分)27,480

 

以上ですべての修正仕訳が完了しました。これを踏まえて次回解答用紙への記入の解説をします。

156回日商簿記2級の解答について~第3問 連結貸借対照表の作成①~

156回の最後は連結貸借対照表です。過去の記事をご覧の方は大体把握できていると思いますが、貸借対照表のときは、損益科目は基本関係ありません。損益科目は計算のために最低限必要なことをするときだけにとどめておきましょう。

ということでまずは基本編の解説です。

 

 次の[資料1]から[資料3]にもとづいて、連結第2年度(X2年4月1日からX3年3月31日)の連結貸借対照表を作成しなさい。なお、本問では「法人税、住民税及び事業税」、「消費税」および「税効果会計」を考慮しない。

[資料1]X3年3月31日におけるP社(親会社)およびS社(子会社)の試算表

ただし、P社の試算表は決算整理前残高試算表であるのに対し、S社の試算表は決算整理後残高試算表である点に留意すること。

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[資料2]P社の決算整理事項

1.売掛金のうち外貨建てのものが12,000千円(取得時レート:1ユーロ=120円)ある。当期末のレートは1ユーロ=130円である。

2.期末時点の売掛金(S社に対する7,000千円を除く)に対し、1%の貸倒引当金を差額補充法で設定する。

3.有形固定資産の減価償却を、次の条件にもとづき行う。

建物 耐用年数:30年 前期末までの経過年数:10年 残存価額:ゼロ 償却方法:定額法

備品 耐用年数:5年 前期末までの経過年数:1年 残存価額:ゼロ 償却方法:200%定率法

4.当期の退職給付費用は6,800千円である。

5.支払リース料は、オペレーティング・リース取引に対して、3年前から継続して向こう1年分のリース料を10月1日に毎年同額ずつ支払ったことによるものである。

[資料3]P社とS社の連結に際し、必要となる事項

1.P社は、X1年4月1日にS社の発行済株式総数の60%を400,000千円で取得し、これ以降S社を連結子会社とし、連結財務諸表を作成している。X1年4月1日時点でのS社の純資産の部は、次のとおりであった。

資本金 150,000千円

資本剰余金(すべて資本準備金) 150,000千円

利益剰余金(すべて繰越利益剰余金) 130,000千円

2.のれんは、発生年度から10年間にわたり定額法で償却を行っている。

3.S社は、前期は配当を実施していないが、当期は繰越利益剰余金を財源に25,000千円の配当を実施した。

4.前期よりP社より商品をS社に販売しており、前期・当期とも原価に30%の利益を加算して単価を決定している。当期におけるP社の売上高のうち、S社向けの売上高は91,000千円である。また、S社の期首商品のうち3,900千円および期末商品のうち6,500千円はP社から仕入れたものである。

5.S社は保有している土地90,000千円を決算日の直前に80,000千円でP社に売却しており、P社に売却しており、P社はそのまま保有している。未実現利益を全額相殺消去すること。

6.連結会社(P社およびS社)間での当期末の債権債務残高は、次のとおりである。なお、P社・S社とも、連結会社間の債券に関して、貸倒引当金を設定していない。

【P社のS社に対する債権債務】

売掛金 7,000千円

未払金 80,000千円

【S社のP社に対する債権債務】

買掛金 7,000千円

未収入金 80,000千円

7.退職給付に関し、連結にあたり追加で計上すべき事項は生じていないため、P社およびS社の個別上の数値をそのまま合算する。

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決算整理事項1 外貨建て売掛金の換算替え

 売掛金のうち外貨建てのものが12,000千円(取得時レート:1ユーロ=120円)ある。当期末のレートは1ユーロ=130円である。

まず、ユーロに換算します。

換算前の売掛金(ユーロ):12,000千円÷@120円=100ユーロ

そして、当期末のレートに換算替えします。

換算後の売掛金(円):100ユーロ×@130円=13,000千円

最後に換算後から換算前の売掛金を差し引くと、為替差損益が出ます。

為替差損益:13,000千円-12,000千円=1,000千円(値上がり)

【決算整理仕訳】

売掛金)1,000/(為替差損益)1,000

決算整理事項2 貸倒引当金の設定

 期末時点の売掛金(S社に対する7,000千円を除く)に対し、1%の貸倒引当金を差額補充法で設定する。

決算整理事項1の売掛金の変動を忘れないように計算します。

貸倒引当金繰入額:(342,000千円+1,000千円【決算整理事項1より】-7,000千円【S社分】)×1%-1,900千円=1,460千円

【決算整理仕訳】

(貸倒引当金繰入)1,460/(貸倒引当金)1,460

※費用は試算表によると「販売費及び一般管理費」となっていますが、冒頭でもお話しした通り、損益項目は全然関係ないので、そのままの科目にしています。

決算整理事項3 固定資産の減価償却

 有形固定資産の減価償却を、次の条件にもとづき行う。

建物 耐用年数:30年 前期末までの経過年数:10年 残存価額:ゼロ 償却方法:定額法

備品 耐用年数:5年 前期末までの経過年数:1年 残存価額:ゼロ 償却方法:200%定率法

特にひねるような問題はありません。基本通りに進めるだけです。

①建物の減価償却

定額法により処理します。

当期の減価償却:234,000千円÷30年=7,800千円

減価償却累計額(各自推定):7,800千円×10年=78,000千円

【決算整理仕訳】

減価償却費)78,000/(建物減価償却累計額)78,000

②備品の減価償却

こちらは200%定率法で処理します。

減価償却累計額(各自推定):100,000千円÷5年×200%=40,000千円

当期の減価償却:(100,000千円-40,000千円)÷5年×200%=24,000千円

【決算整理仕訳】

減価償却費)24,000/(備品減価償却累計額)24,000

決算整理事項4 退職給付費用の計上

 当期の退職給付費用は6,800千円である。

こちらも特に解説はありません。

【決算整理仕訳】

(退職給付費用)6,800/(退職給付引当金)6,800

決算整理事項5 前払費用の計上(費用の繰り延べ)

 支払リース料は、オペレーティング・リース取引に対して、3年前から継続して向こう1年分のリース料を10月1日に毎年同額ずつ支払ったことによるものである。

リース料は10月1日(決算日3月31日)に1年分を支払う契約となっています。そのため、4月からの6か月分は次年度の経費となります。

6か月分を1期の単位とすると、36,000円÷2期=18,000千円とやってしまうとハマります。

以下の図を見てください。

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「円」となっていますが、「千円」の誤りです。

貸借対照表に計上されているのは、2年度上半期分もあります。したがって3期分の金額が計上されていることとなります。

つまり1期分の金額は、36,000千円÷3期=12,000千円となります。

【2年3月末の仕訳】

(前払費用)12,000/(支払リース料)12,000

【2年4月再振替仕訳】

(支払リース料)12,000/(前払費用)12,000

この時点で、まず支払リース料が12,000千円計上されています。

【2年10月リース料支払時】

(支払リース料)24,000/(現金預金など)24,000

この繰り返しで仕訳が行われています。これで支払リース料の残高が、現状の36,000千円となります。

したがって3年3月末の仕訳と2年3月末の仕訳と同じになります。

【決算整理仕訳】

(前払費用)12,000/(支払リース料)12,000

 

次回は[資料3]の解説をします。