商品有高帳は、商品の種類ごとに、仕入れ、売り上げ、返品の都度、数量や単価、金額(仕入原価)を記入する帳簿です。商品の在庫管理に使われます。
商品の払出単価の計算方法には、先入先出法と移動平均法があります。(他には総平均法もありますが、3級ではこの2つを扱います。)
先入先出法
先入先出法は、先に入ったものから先に払い出すことと仮定して、商品の払出単価を計算します。
月日欄には、取引した日付を記入します。
摘要欄には、取引の内容(仕入、売上の別)を記入します。
受入欄には、受け入れた(仕入)商品の数量、単価、金額を記入します。
払出欄には、払い出した(売上)商品の数量、単価、金額を記入します。なお、ここで記入する単価は売価ではなく、原価で記入することに注意してください。
残高欄には、取引した後に残った商品の数量、単価、金額を記入します。
月末には、残った在庫を次月に繰り越すため、摘要欄を次月繰越とし、払出欄に残高の情報をそのまま記入します。次月繰越を記入するときは、赤字で記入します。繰り返しになりますが、本試験では、黒で記入してください。
最後に受入高と払出高の各合計(数量と金額)を記入し、両方の数字が合うかどうかを確認し、締め切ります。
そして、次月のために次月繰越の数字を前月繰越として記入します。
例)以下の取引を商品有高帳に記入し、締め切りなさい。
4月1日 前月繰越 100個 @100円
4日 仕 入 100個 @90円
12日 売 上 80個 @250円(売価)
18日 仕 入 80個 @105円
25日 売 上 120個 @275円(売価)
受け入れた商品の在庫が2種類以上になった場合、受け入れた順に記入していき、カッコでくくります。
移動平均法
移動平均法は、商品の受け入れの都度、平均単価を算出して、その平均単価を払出単価とする方法です。
払出単価は、(前回の残高の金額+受入時の金額)÷(前回の残高の数量+受入時の数量)で計算します。
4月4日 (10,000円+9,000円)÷(100個+90個)=@95円
4月18日 (11,400円+8,400円)÷(120個+80個)=@99円
本試験では、商品在高帳は151回で出題されました。定期的に出題されるテーマですので、しっかりと先入先出法と移動平均法の違いを理解しましょう。