手形決済
商品代金の決済方法には、現金決済、小切手決済、掛け決済、クレジット決済のほか、手形決済があります。
手形には、約束手形と為替手形があります。約束手形は、支払う人と受け取る人の対面取引であるのに対して、為替手形は、それに加えて支払いを指図する人が増えます。
商取引については、約束手形が使われることが多く、為替手形は使われることが少なくなったため、2016年から1級の範囲となりました。そのため、手形取引については、約束手形のみをお話ししていきます。
掛け取引では、1~2カ月の間で支払わなければなりませんが、手形取引については、3カ月以上で設定できます。以前話した資金繰りがツラいときなどは、手形取引を選択したり、掛け取引から手形取引に切り替えたりして、支払いの先延ばしを図ったりします。
ちなみに、約束手形という名前を初めて聞いたのは、人生ゲームでした。所持金がなくなると、借金として赤い札が配られました。
約束手形の内容
約束手形は、手形を振り出した人(振出人)が、取引相手(受取人)に対して、支払期日に指定した金額を支払うことを約束した有価証券です。
受取人は、約束手形の名あてになることから、名宛人とも呼びます。むしろ、こちらの方がメインの呼び方となります。
そして、手形の振出人は、後日手形代金を支払わなければならない義務が発生するので、支払手形(負債)として処理します。
逆に、手形の名宛人(受取人)は、後日手形代金を受け取ることができる権利が発生するので、受取手形(資産)として処理します。
例)次の一連の仕訳をそれぞれの立場で仕訳しなさい。
①当社は、ジュピター製作所からバインダー100セット(@150円)を仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。
②手形の支払期日となったため、当社は取引銀行より当座預金口座から取引先の当座預金口座へ支払われた旨の通知を受けた。
*当社の仕訳*
①(仕入)15,000/(支払手形)15,000
②(支払手形)15,000/(当座預金)15,000
*ジュピター製作所の仕訳*
①(受取手形)15,000/(売上)15,000