ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

決算整理仕訳その4~③収益・費用の未収・未払い(見越し)~

収益の未収

収益の未収があるときは、未収収益(資産)で処理をします。また、具体的な内容として、未収地代(資産)や未収利息(資産)などを使う場合もあります。

 

例えば、A社からB社へ、×1年7月1日に現金500,000円を貸し付けた場合(貸付期間1年、年利率2%、元利金ともに返済時に支払、会計期間4月~3月)、7月から3月までは、実際に何も受け取ってはいないが、利息としては発生しているべき期間となるので、当期分に計上しなければなりません。

 

7月に現金を貸し付けた場合の仕訳(A社側の取引)

(貸付金)500,000/(現金)500,000

 

3月31日に未収収益を計上する場合の決算整理仕訳

9か月分の利息:500,000円×2%×9か月分/12か月分=7,500円

(未収収益)7,500/(受取利息)7,500

または、

(未収利息)7,500/(受取利息)7,500

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翌4月1日の再振替仕訳

(受取利息)7,500/(未収収益)7,500

または、

(受取利息)7,500/(未収利息)7,500

返済日の仕訳(参考)(小切手で受け取った場合)

(現金)510,000/(貸付金)500,000

          (受取利息)10,000

※再振替仕訳により、受取利息は-7,500円からスタートしており、返済日に10,000円受け取ると差引2,500円(4月から6月までの3ヶ月分)が×2年度の計上となります。

費用の未払い

費用の未払いがあるときは、未払費用(負債)で処理をします。また、具体的な内容として、未払地代(負債)や未払利息(負債)などを使う場合もあります。

 

上記の例(B社側)で説明すると、7月から3月までは、実際に何も支払ってはいないが、利息としては発生しているべき期間となるので、当期分に計上しなければなりません。

 7月に現金を借り入れた場合の仕訳(B社側の取引)
(現金)500,000/(借入金)500,000

3月31日に未払費用を計上する場合の決算整理仕訳

(支払利息)7,500/(未払費用)7,500

または、

(支払利息)7,500/(未払利息)7,500

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翌4月1日の再振替仕訳

(未払費用)7,500/(支払利息)7,500

または、

(未払利息)7,500/(支払利息)7,500

返済日の仕訳(参考)(小切手で支払った場合)

(借入金)500,000/(当座預金)510,000

(支払利息)10,000

※再振替仕訳により、支払利息は-7,500円からスタートしており、返済日に10,000円受け取ると差引2,500円(4月から6月までの3ヶ月分)が×2年度の計上となります。

まとめ

3回にわたって、前受・前払い(繰り延べ)、未収・未払い(見越し)をやってきました。似たようなものが4種類あるので、受験生にとっては、それが借方なのか貸方なのかわからなくなることがあります。

この場合、前とつくものは、元の勘定科目(例でいえば、受取地代・支払地代)を差し引くものだと考えれば、比較的どちらに書くべきものなのかを理解することができます。同じく、未とつくものは、元の勘定科目(例でいえば、受取利息・支払利息)を足すものと考えることです。

 

今回の例の支払利息7,500円の未払い計上について、支払利息のホームポジションは、借方です。よって、「未は足す」ので、まずは、借方に支払利息7,500円を記入します。

(支払利息)7,500

そして相手勘定に未払費用または未払利息を記入すると、正しい仕訳になります。

(支払利息)7,500/(未払費用)7,500

または

(支払利息)7,500/(未払利息)7,500

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