ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

製造間接費(費目別計算)その2~予定配賦率の適用~

材料費や労務費でも予定価格や予定賃率が出てきました。製造間接費についても、その工場の配賦基準によって予定配賦率を使って、業務作業の効率化を図っています。

予定配賦率で、よく登場するのが基準操業度という数字です。基準操業度とは、1年間にかかると予定される作業時間のことをいいます。

予定配賦率は、年間の予算÷基準操業度で算出します。この予定配賦率に実際の作業時間をかけると、当月の製造間接費が算出できます。

ちなみにこの計算方法が時給の算出に似ていることから、通称「時給」と呼んでいました。

前回は、材料費などから流れてきた製造間接費の実費を仕掛品へそのまま配賦しました。この実際配賦と、予定配賦率による製造間接費には差が出てきますので、その差額を製造間接費配賦差異として計上します。

 

例)実際操業度(直接作業時間)を配賦基準として、予定配賦率により製造間接費を配賦する。なお、当月の実際操業度は100時間だった。なお、年間の製造間接費予算は600,000円、年間の基準操業度は1,500時間である。

予定配賦率:600,000円÷1,500時間(以下hで表示)=@400円/時間(以下円/hで表示)

製造間接費の予定配賦額:@400円/h×120h=48,000円

(仕掛品)48,000/(製造間接費)48,000

 

例)製造間接費の実際発生額は、間接材料費30,000円、間接労務費15,000円、間接経費5,000円であった。予定配賦額と実際配賦額の差額を製造間接費配賦差異に振り替えた。

実際配賦額:30,000円+15,000円+5,000円=50,000円

配賦差異:48,000円(予定配賦額≒予算)-50,000円(実際発生額)=▲2,000円(不利差異:赤字)

不利差異は、製造間接費配賦差異を借方に計上します。

(製造間接費配賦差異)2,000/(製造間接費)2,000

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