商品以外の用途で手形を使用する場合
有価証券や固定資産など商品以外の用途で手形を使用した場合には、営業外受取手形(資産)や営業外支払手形(負債)のように、頭に「営業外」をつけます。
試験では、単に受取手形や支払手形としてしまって、誤答になってしまうので注意が必要です。
私事ですが、高校のときや、15年ぐらいに初めて2級受験したときには、そんな科目なかったので、2級を取り直した際には、科目が変わっているものが多く驚きました。
「貸倒償却」が「貸倒損失」や「貸倒引当金繰入」、単なる「有価証券」でよかったものが「売買目的有価証券」になってたりしていて、簿記では過去のテキストは全然使えないことがわかりました。
例)売買目的有価証券を20,000円(取得原価18,000円)で購入し、代金は約束手形で支払った。
*購入側の仕訳*
(売買目的有価証券)20,000/(営業外支払手形)20,000
*売却側の仕訳* ※車の売買が本業ではない。また、減価償却関係は
(営業外受取手形)20,000/(売買目的有価証券)18,000
/(有価証券売却益)2,000
手形の更改
手形の支払期限が迫っているけれど、支払期限に間に合わないと予測されるときには、手形の支払期限の延長をする場合があります。
この場合、手形を新しい支払期限にして書き換えを行います。これを手形の更改といいます。手形の更改をするには、今までの利息について、一旦清算するか、または新たな手形に加算して作成するかで仕訳も異なります。
ここでは手形の更改を依頼する側で考えます。一応、手形の更改を了承する側の仕訳を示しておきます。
①利息を一旦清算する方法
まず、支払手形(負債)を新たなものに書き換える訳ですが、借方に古い手形の金額を記載して、支払手形を減少させます。そして貸方に新たな支払手形として同額の金額を増加させます。あとは、現金などで利息を支払ったときは、支払利息(費用)で処理します。
例)以前振り出した約束手形10,000円について、3カ月の期間延長を求め、同意を得た。なお、期間延長に伴う利息300円を現金で支払った。
(支払手形)10,000/(支払手形)10,000
(支払利息)300/(現金)300
結局は、借方と貸方に同額の金額で仕訳をすることになりますが、決して同じだからと言って、(支払利息)300/(現金)300 のみ仕訳をして、手形部分を相殺しないようにしてください。
なお、この方法は固定資産の買換えでも同じですので、頭の隅にでも記憶しておいてください。
*債権者側の仕訳*(手形の更改を了承した側)
(現金)300/(受取利息)300
②利息を新たな手形金額に加算する方法
この場合は、新しい手形の方に利息分を加算した金額で記入します。①の例で仕訳をすると以下のとおりとなります。
(支払手形)10,000/(支払手形)10,300
(支払利息)300
*債権者側の仕訳*
/(受取利息)300