ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

152回日商簿記2級の解答について~第1問 仕訳問題①~

6月9日 152回日商簿記が実施されました。受験生の方、お疲れさまでした。今回は、拍子抜けのように簡単でした。特に難しい論点はなく、過去数回受験された方は、何だったんだと思われるのではないでしょうか。

個人的に自分の娘も受験しましたが、商業高校なのに毎回、受験時期とテスト時期が重なるという嫌がらせにあっています。結局、内申の方が大事なので、中間テストの方を優先にしたようです。何度もそんな状況では、いっそのこと卒業してから受けた方がよさそうです。

さて、以前の予想の結果からお伝えします。

 

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 予想結果について

第1問 仕訳問題 ①有価証券の売却、②固定資産の分割払い、③商品保証引当金、④外貨建取引、⑤会社設立時の新株発行

第2問 個別論点 現金預金(銀行勘定調整表、現金棚卸)

第3問 財務諸表 貸借対照表税効果会計

第4問 工業簿記 部門別個別原価計算

第5問 工業簿記 標準原価計算

今回は、マーズとしましては、4問中2問の的中率でした。普通は、4問中1問当たればいい方なので、大健闘だったと自画自賛しています。

そして、久々に2連続で部門別計算が出ました。しかし、前回、合格できなかった人にとっては、アドバンテージがあるはずです。また、部門別計算については、通常の個別原価計算よりは簡単な論点になっているため、合格率はおそらく上がるのでは、と予想しています。

今週から続けて、日商2級の解答について、お話ししていきたいと思っています。

第1問の1 有価証券の売却

問 ×年12月1日、売買目的で保有している額面総額¥1,000,000の社債(利率年0.365%、利払い日は3月末と9月末の年2回)を額面¥100につき¥98.90の価額(裸相場)で売却し、売却代金は売買日までの端数利息とともに現金で受け取った。なお、この社債は×年9月1日に額面¥100につき¥98.80の価額(裸相場)で買い入れたものであり、端数利息は1年で365日として日割で計算する。

 

まずは、購入時の価額を計算しなければなりません。

1,000,000円の額面を100円につき…というところで100円の社債を10,000口購入していることがわかります。

そして、問題文から98.80円で購入しているので、以下の式で購入価額が出ます。

式)98.80円×10,000口=988,000円

新規発行の購入なら特に問題ありませんが、発行後の途中で購入した場合には受け取る金額から端数利息が差し引かれます。ただし、今回関係ないのでここは飛ばします。

*購入時の仕訳*

(売買目的有価証券)988,000/(現金など)988,000

 

そして、売却時には、98.90円に値上がりしているため、1口につき0.1円の利益が出ています。利益分は、有価証券売却益(収益)で処理します。

式)0.1円×10,000口=1,000円(利益分)

*売却時の仕訳*

(現金)989,000/(売買目的有価証券)988,000

          (有価証券売却益)1,000

 

さらに、9月1日~12月1日までの利息を受け取ることができるので、端数利息の計算が必要となります。受け取る利息は、有価証券利息(収益)で処理します。

端数利息の計算は、元金×利息×経過日数/365日となります。うるう年では出題されることはないと思いますので、この式で大丈夫です。

そして、経過日数の計算は、その計算ひとつで4点マイナスになってしまう最重要論点です。暦の覚え方で、31日以外の月は「西向く侍(2・4・6・9・11」で覚えてしまいます。2月は通常28日、それ以外は30日となっています。

また、中途半端な日での計算には要注意です。例えば9月16日が購入日で、9月だけの日数を計算するとき、9月は全部で30日ですから、30日-16日とすると、16日が含まれなくなるので+1する必要があります。自信がなければ、指折りで数えましょう。そうすると、この答えは15日となります。

問題に戻ります。まず、直近の利払日の翌日を起点としなければならないため、問題文からそれを読み取ります。今回は、9月末が利払日となっていますので、その翌日10月1日が起算点となります。10月1日~12月1日(売却日)は、31日(10月)+30日(11月)+1日(12月)の計62日が経過日数となります。

式)1,000,000円×0.365%×62日/365日=620円

最終的な仕訳は、以下のとおりです。

*正解の仕訳*

(現金)989,620/(売買目的有価証券)988,000

          (有価証券売却益)1,000

          (有価証券利息)620

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この期間中については、行政書士マーズオフィス個別指導部として宣伝もさせていただきます。弊事務所では、簿記講座をはじめとする社会に使える資格を個別指導方式で教えています。この簿記2級の本試験問題については、「日商簿記2級実戦編」として北海道旭川市近辺の方を対象に行っていますので、よろしくお願いいたします。

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