ポリテク火星出張所!

現在は簿記のこと、経済学、民法改正などを中心にブログを書いています。

152回日商簿記2級の解答について~第5問 標準原価計算~

問 株式会社ガトーニッショウでは、2種類の洋菓子(製品Xと製品Y)を製造している。原価計算方式としては標準原価計算を採用している。加工費の配賦基準は直接作業時間であり、予算直接作業時間を基準操業度としている。現在、2019年5月の予算と実績に関するデータを入手し、実績検討会議に向けた報告書を作成している。次の[資料]にもとづいて、下記の問に答えなさい。

[資料]

1.原価標準(製品1個当たりの標準原価)

⑴製品X

 原料費 6円/g×100g       600円

 加工費 1,500円/時間×0.4時間 600円

 合 計           1,200円

⑵製品Y

 原料費 8円/g×150g       1,200円

 加工費 1,500円/時間×0.6時間 900円

 合 計           2,100円

2.2019年5月予算

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 ※加工費予算は変動予算を用いている。

3.2019年5月実績

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 ※月初・月末に仕掛品は存在しない。

問1 予算生産量にもとづく製品Xの標準原価(予算原価)を計算しなさい。

問2 実際生産量にもとづく製品Xの標準原価を計算しなさい。

 

二つともとりあえず簡単なので、さっさと計算してしまいます。資料1の製品Xの標準原価に2と3の生産量を掛けるだけです。

問1の式)1,200円(Xの標準原価)×2,000個(2.の生産量)

問2の式)1,200円(Xの標準原価)×2,200個(3.の生産量)

*正解*

問1 2,400,000円

問2 2,640,000円

 

問3 製品Yの標準原価差異を分析し、

⑴原料費差異を価格差異と数量差異に分けなさい。

⑵加工費差異を予算差異、能率差異、操業度差異に分けなさい。なお、能率差異は変動費と固定費の両方からなる。

 

⑴ですが、まずはスタンダードにボックスを使って解いていきます。

ところで工業簿記の標準原価計算の再分析に使うボックスと、商業簿記に使う棚卸減耗損や商品評価損に使うボックスの2種類がありますが、覚え方があります。

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工業簿記に使うボックスが左側です。きちんと「」の字が浮かび上がっています。そして、商業簿記に使うボックスは右側です。ちょっと苦しいですが、日商簿記の「」の字がついてます。

ということで左のボックスに必要な項目を埋めていきます。

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現在分かっているのは、原料費の標準価格が1,200円×1500個=1,800,000円(内側の黄色の枠)であることと、実際価格(外枠)が1,759,400円であることです。

縦の価格欄には原料費のg単価を記入します。資料1⑵により、原料費の単価は8円/gとなっています。次に横の数量欄の標準消費量を計算します。1,800,000円(標準価格)÷8円/g(g単価)=225,000g(標準消費量)となります。

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後は実際の原料消費量(総数量)231,500gを右下に、そして1,759,400円÷231,500g=7.6円を左上に配置すると数字の配置が完成します。

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あとは、それぞれ価格差異と数量差異を計算すれば、ボックス完成となります。

引くときは、内側から外側に向かうように計算します。答えがマイナスのときは借方差異(不利差異)、プラスのときは貸方差異(有利差異)となります。第4問のときと同じですね。

*問3⑴の正解*

価格差異:(8円-7.6円)×231,500g=92,600円(有利差異)

数量差異:(225,000円-231,500円)×7.6円=49,400円(不利差異)

(参考)

総差異:1,800,000円(標準価格)ー1,759,400円(実際価格)=40,600円(有利差異)

 

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⑵はシュラッター図を使った解き方となります。また、能率差異は変動費と固定費の合算となっています。

標準原価計算の差異分析を初めてするときは、シュラッター図の書き方を覚えてもらうようにしています。

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 ①横に長い四角形を記入します。

 ②カラスのくちばしを左向きに記入します。

 ③ちょっと左寄りに縦線2本入れれば完成となります。

続いて各部の名称を記入します。

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覚え方はありますが、著作権にひっかかりそうなのでやめておきます。

ここでは、解答の検討をしているので、各部の用語説明については、とっても長くなるので割愛します。ということで、数字を入れ終わったのが次の図です。

 

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各数字の算出方法は以下のとおり

変動費:資料2の変動加工費 400円/h

固定費率:資料1⑵の(総)加工費1,500円/hから変動費率を差し引いた1,100円/h

標準操業度:資料1⑵の加工費1,500円/h×0.6hより、1個作るのに0.6hかかるのがわかる。5月中に製造した個数は1,500個なので、1,500個×0.6h=900hとなる。

実際操業度:資料3の直接作業時間920h

基準操業度:資料2固定加工費990,000円÷固定費率1,100円/h=900h 

(標準操業度と基準操業度が同じになっています。)

実際発生額:資料3加工費1,372,000円

予算許容額変動費率400円/h×実際操業度920h+固定加工費990,000円=1,358,000円

 

あとはそれぞれの差異を計算すれば、表が完成します。差異の計算のルールは、

①縦の列は下から上に差し引く

②横の行は左から右に差し引く(内側から外側に)

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*問3⑵の正解*

予算差異:1,358,000円-1,372,000円=▲14,000円

     予算許容額-実際発生額

    ∴ 14,000円(不利差異)

能率差異:(900h-920h)×(400円/h+1,100円/h)=▲30,000円

     (標準操業度-実際操業度)×(加工費の合計)

    ∴ 30,000円(不利差異)

操業度差異:(920h-900h)×1,100円/h=22,000円

      (実際操業度-基準操業度)×固定費率

    ∴ 22,000円(有利差異)

(参考)

標準原価:900h×1500円/h=1,350,000円

製造間接費総差異:1,350,000円-1,372,000円=▲22,000円(不利差異)

  

この問題に限らず、工業簿記のエリアは2つ合わせて30分で解きたいところです。各4点のミスを許容範囲とした32~40点を目標にして、得点源にできればいいと思っています。

 

この期間中については、行政書士マーズオフィス個別指導部として宣伝もさせていただきます。弊事務所では、簿記講座をはじめとする社会に使える資格を個別指導方式で教えています。この簿記2級の本試験問題については、「日商簿記2級実戦編」として北海道旭川市近辺の方を対象に行っていますので、よろしくお願いいたします。

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