ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

工業簿記とは?

2級では、大きく分けて商業簿記が3問(60点)、工業簿記(40点)が2問出題されます。そして、工業簿記は比較的満点近くを狙うことができるので、合否の分かれ目となります。

 

商業簿記は、商品売買業(お店や会社)を目的とした簿記でした。そして、工業簿記は、製造業(工場)を目的とした簿記となります。

また、工場の製造過程を簿記を使って管理するものなので、商業簿記と同じように考えては、混乱する元となります。簿記というシステムを使っているだけなので、商業簿記で行った費用の発生は借方という概念はなくなります。総合的に増えたときが借方減ったときが貸方という考え方になりますので、全く新しい勉強をすると思って取り組みましょう。

 

そして工業簿記で必要なのは、「按分」という考え方です。按分とは、簡単にいうと比例配分のことで、基礎となる数値の割合に応じて割り振る方法をいいます。

似たような言葉に「等分」がありますが、これは割合などに関係なく等しく割り振る方法をいいます。

例えばケーキを切り分ける場面があったとして…兄弟は仲良く3等分、親子は1:2の割合で子供に多めにしてあげる、みたいな感じですね。

何気に「基礎となる数値」に色で強調させていただきましたが、この基礎となる数値を計算することも大事なので、心に留めておいてください。ちなみに152回でも、その基礎となる数値を間違って失点するケースが見受けられました。

 

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 そして、工業簿記にはもう一つ原価計算と言う目的があります。原価計算とは、その製品の製造にかかった費用を決まった方法によって計算することをいいます。

普段、手に取る商品もどのように値段が付けられているのか考えたことはありますか?売り値を決定するのに、原価がいくらかかっているかを考えるのは大切なことです。できたばかりの新品の原価が100円なのに50円で売ってしまう人はいませんよね。

商品売買業なら、他から仕入れてくるので、その値段が原価ということで簡単に把握できるのですが、自分から製造を手掛けている場合は、簡単にいくらか判断できるわけではありません。そこには、材料費や人件費などさまざまな経費もかかっています。それを製品ごとに計算してはじめて原価がわかるのです。

あ、それと商業簿記では商品という言葉、工業簿記では製品という言葉を使います。自分のところで製造から販売までやっている場所でも、工場内部にあるうちは製品で、家電量販店でお客さまにお目見えする頃には商品という名に変わっています。

工場にいる作業員は、そのモノを「わが社の製品」を呼び、ショップの店員は、そのモノを「わが社の商品」と呼んでいます。

 

この工場の流れを簿記で示して管理していく狭い意味での工業簿記と、製品の製造原価を計算する原価計算の二つがそろって工業簿記の概念となります。

※余談ですが、1級では、工業簿記と原価計算は別々の科目となっています。

 

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