商業簿記で棚卸減耗損と商品評価損の話をしましたが、工業簿記でも月末の棚卸の結果、き損や紛失で在庫が合わないときがあります。この場合は、棚卸減耗費となります。商業簿記では、棚卸減耗損だったので、間違わないようにしましょう。
また、棚卸減耗費は間接経費となるため、製造間接費として処理します。
商品評価損の論点は工業簿記ではありません。しかし、商業簿記で使ったボックスが登場します。詳しくは標準原価計算のときまでお預けになります。
例)月末における材料の帳簿棚卸数量は100㎏(1㎏@250円)であるが、実地棚卸数量は90㎏だった。なお、棚卸減耗は正常に発生したものである。
棚卸減耗費:@250円×(100㎏-90㎏)=2,500円
(製造間接費)2,500/(材料)2,500
ちなみに2級では問題の最後に「棚卸減耗は正常に発生したものである。」との文言がありますが、これは気にする必要はありません。2級では一通りのパターンしかないからです。
正常なものについては、製造原価に含めて計算します。
(もし、盗難や火災などの正常なものでなければ、非原価項目として処理することになります。)