ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

材料費(費目別計算)その2~材料費の計算~

商業簿記で商品の払出単価の説明をしました。今回は、工業簿記編です。

 

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 商業簿記では、先入先出法と移動平均法を解説しました。工業簿記では、先入先出法と平均法があります。

また、商業簿記では、商品在高帳の作成で出てくる論点でしたが、工業簿記では、この払出単価の計算が至るところで出てきます。そして、商品在高帳ではなく材料・仕掛品・製品のボックスを使って解いていくこととなります。

ここでのボックスとは、材料元帳商業簿記でいう総勘定元帳)の形状を箱型にしたものです。

先入先出法

先入先出法FIFO:First In First Out Method)とは、に購入した材料をに消費したと仮定して材料の払出単価を計算する方法をいいます。

 

例)当月、直接材料として小麦粉を90㎏消費した。なお、月初材料有高は、50㎏(@220円)、当月材料購入量は100㎏(@250円)である。

 

先に購入したものを先に払い出すので、まずは月初材料有高の50㎏を払い出した後、残りの40㎏を当月購入量から払い出します。

当月消費量:(@220円×50㎏)+(@250㎏×40㎏)=21,000円

*仕訳(参考)*

(仕掛品)21,000/(材料)21,000

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今後ボックス上で先入先出法は「FIFO」という表示をします。

平均法

(総)平均法(AM:Average Method)とは、一定期間(1カ月間)に購入した材料の購入価額の合計を数量の合計で割ったものを払出単価とする方法をいいます。

 

上の例を使って平均法で計算しなおすと以下のとおりとなります。

当月消費量:(11,000円+25,000円)÷(50㎏+100㎏)=@240円

      @240円×90㎏(当月消費量)=21,600円

*仕訳(参考)*

(仕掛品)21,600/(材料)21,600

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同じく、平均法は「AM」で表示します。

サービス業

商品売買と違って、学習塾や美容院などのサービス業は、形のないものを提供して収益を得ています。このサービスのことを役務といいます。

今回は、サービス業の取引についてみていきます。

サービス提供に先立って前金を受け取った場合

手付金や前金などの名称で事前に代金を受け取った場合は、前受金(負債)で処理します。

 

例)個別指導のマーズオフィスは、来月の受講料として5,000円を現金で受け取った。

(現金)5,000/(前受金)5,000

サービス提供にあたって費用を支払った場合

費用の計上がサービスの提供に使われたものとして明らかな場合は、仕掛品(資産)で処理をします。一方、不明な場合は、いったん費用の勘定科目で計上し、その後明らかになったときに仕掛品(資産)に振り替えます。

 

例1)講座に使用する教材作成費(用紙やインク代)200円を現金で支払った。なお、当該費用はサービスの提供に直接費やされたものであることが明らかである。

(仕掛品)200/(現金)200

 

例2-1)講座に使用する教材作成費(用紙やインク代)1,500円を現金で支払った。

(消耗品費)1,500/(現金)1,500

例2-2)上記の消耗品費のうち700円が来月の受講に直接費やされるものであることが明らかであることが明らかとなったため、これを仕掛品勘定に振り替える。

(仕掛品)700/(消耗品費)700

サービス提供が終了した場合

講座の提供が終了した場合は、前受金(負債)で処理した金額を役務収益(収益)に振り替えます。また、仕掛品(資産)で処理していた金額を役務原価(費用)に振り替えます。

 

例)今月分の講座が終了し、先に受け取っていた受講料5,000円を役務収益に振り替える。また、講座にかかる費用700円は仕掛品で処理している。

(前受金)5,000/(役務収益)5,000

(役務原価)700/(仕掛品)700

講座の終了が決算日をまたぐ場合

講座が長期間に及ぶなど決算期をまたいでサービスを提供する場合は、サービス提供の進捗度に応じて収益を計上します。

また、月次決算を行っている場合で月をまたぐ場合なども同じ処理をします。

 

例)決算日現在、講座(6か月間)の8割が終了している。なお、受講料30,000円は先に受け取っており、前受金で処理している。また、講座にかかった費用6,000円は仕掛品で処理している。

 

決算日の進捗度(80%)に応じた役務収益と役務原価の計上をします。

役務収益:30,000×80%=24,000

役務原価:6,000×80%=4,800

*決算時の仕訳*

(前受金)24,000/(役務収益)24,000

(役務原価)4,800/(仕掛品)4,800

 

全ての講座が終了した場合は、残りの2割分について、それぞれ振り替えます。

*全講座終了時の仕訳*

(前受金)6,000/(役務収益)6,000

(役務原価)1,200/(仕掛品)1,200

 

7月入ってぼちぼち仕事が舞い込んできています。3級も終了し、2級に入ったところでこれから平日以外は掲載お休みにいたします。よろしくお願いいたします。

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材料費(費目別計算)その1~材料費の分類と基本的な仕訳~

今回は、費目別計算と呼ばれるカテゴリーの中の材料費に関して解説していきます。

材料費の分類

材料費とは、購入した材料のうち製造のために消費した費用をいいます。材料費は、以下の区分によって分類されます。

①主要材料費(素材費、原料費)

②買入部品費

③補助材料費

④工場消耗品費

⑤消耗工具器具備品費

このうち①と②は直接材料費となり、③~⑤は間接材料費となります。

①主要材料費

製品の本体となる素材費や、食料品の原料費のことをまとめて主要材料費といいます。

②買入部品費

その名の通り、外部から購入してきて、本体にそのまま取り付ける部品にかかった費用を買入部品費といいます。

③補助材料費

食料品に使われる調味料や製品に使われる接着剤など補助的に使われる費用を補助材料費といいます。

④工場消耗品費

作業着や手袋、洗剤など工場で使われる消耗品にかかった費用を工場消耗品費といいます。

⑤工場工具器具備品費

メジャーやはかり、包丁、ボウルなど工場で短期的に使われる少額の器具などに使った費用を工場器具備品費といいます。

実際の問題では、5種類の材料費のどれが直接材料費になり、仕掛品に配賦されるのか見分けないとならない場面があります。

王道の覚え方は、数の少ない方を暗記するということになりますので、主要材料費買入部品費直接材料費、その他は間接材料費と覚えるようにしましょう。

基本的な仕訳

①材料を購入した場合

材料を購入した場合は、商業簿記の有価証券や固定資産のように材料自体の価額(購入代価)と購入のためにかかった諸費用(材料副費)を合計した金額を材料(資産)の購入原価として計算します。

 

例)小麦粉10kg(1㎏@1,000円)を購入し、代金は掛けとした。なお、引取運賃500円は現金で支払った。

材料の購入原価:(10kg×1,000円)+500円=10,500円

(材料)10,500/(買掛金)10,000

       /(現金)500

 

②材料を消費した場合

製造のために材料を消費した場合は、それぞれの分類によって振り替えをします。直接材料にかかった場合は、仕掛品(資産)に、間接材料にかかった場合は製造間接費(費用)に振り替えます。

例)材料8,000円を消費した。なお、このうち5,000円は直接材料として、その他は間接材料として消費したものである。

(仕掛品)5,000/(材料)8,000

(製造間接費)3,000

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商品売買その6~棚卸減耗損と商品評価損~

今回は、商品売買における決算整理事項の内容です。3級では「仕・繰・繰・仕」という仕訳をしましたが、2級では損益計算書の表示方法(勘定式から報告式へ)が変わるため、本試験でこの仕訳をすると逆に混乱してしまう場面が出てきます。

精算表の作成をする場合は、依然として「仕・繰・繰・仕」は有効ですが、損益計算書を作成する場合は、以下の式を覚えておいた方が効果的です。

売上原価=期首商品棚卸高(期首の繰越商品)+当期商品仕入高ー期末商品棚卸高(期末の繰越商品)

損益計算書の表示方式については、別の機会があれば紹介していきます。

棚卸減耗損

月末や決算期に在庫の実際の数量(実地棚卸数量)と商品在高帳上の数量(帳簿棚卸数量)が一致するかを確認します。この作業のことを棚卸しといいます。

このとき実際の数量が足りなかったり、いつのまにかキズ物になっていて廃棄しなければならないときに棚卸減耗損(費用)で処理します。

この棚卸減耗損は、2級で登場しますが、工業簿記にも同じものが出てきます。しかも工業簿記の名前が棚卸減耗費(費用)となっており、微妙に違っています。商業簿記の時に棚卸減耗費とかいてしまったり、その逆をしてしまうと非常に痛い失点となりますのでご注意ください。次に説明する商品評価(費用)と語尾が同じという風に覚えた方がいいですね。

 商品評価損

期間の経過により、商品価値が下がってしまった場合には、時価(正味売却価額)に減額する必要があります。このときの取得原価-時価商品評価損(費用)として処理します。春にサマーセールとして売り出していたものが、秋ごろになって安く売りだしているイメージです。

 

例)次の決算整理仕訳を行いなさい。

期首商品棚卸高 330,000円

期末商品棚卸高

 帳簿棚卸高:数量450個、帳簿価額@¥800

 実地棚卸高:数量444個、正味売却価額@¥795

 

このような問題が実際に出題された場合、商品ボックスを作成して棚卸減耗損と商品評価損の数字を出します。この商品ボックスの四角形の面積で求めていきます。

この商品ボックスは、工業簿記でもそっくりなものが出てきます。したがって、工業簿記のボックスを書いてしまうと間違ってしまいますので注意してください。

それでは、ここからはボックスの作成方法です。

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まず、上のような図を記入します。そして、縦軸に価格(単価)、横軸には数量を記入していきます。外周の太枠は期末商品棚卸高の帳簿価額を表しています。

帳簿価額を求めるに際し、問題文により次のように記入します。

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現時点の期末帳簿価額は、@800円×450個=360,000円となっています。ここから在庫が減っていって最終的には緑枠まで縮小します。

そして、実地棚卸高を緑枠の縦軸・横軸それぞれがぶつかる場所に記入します。

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横軸は、450個から444個に在庫が減っていますので、水色枠が棚卸減耗損の数値となります。また価格の方は800円から795円に値下がりしていますので、オレンジ枠が商品評価損の数値となります。

あとはそれぞれの枠の縦✖横を計算して面積を求めると完成になります。

棚卸減耗損:800円(縦)×6個(横)=4,800円

商品評価損:5円(縦)×444個(横)=2,220円

期末商品棚卸高(実地):795個(縦)×444個=352,980円

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あとは、「仕・繰・繰・仕」をやって、繰越商品を360,000円から352,980円にする仕訳をするだけです。

*正解の仕訳*

仕入)330,000/(繰越商品)330,000

(繰越商品)360,000/(仕入)360,000

(棚卸減耗損)4,800/(繰越商品)4,800

(商品評価損)2,220/(繰越商品)2,200

原価の分類と工業簿記の流れ

今回は、原価計算の基礎について説明していきます。

原価の分類

原価とは、製造にかかった費用(製造費用)のことをいいますが、製品を販売するためにかかった費用(販売費)や会社や工場を管理するためにかかった費用(一般管理費)についても含まれます。商業簿記のところでも販売費及び一般管理費販管費)というのが出てきました。

さらに製造原価は、次の分類によって分けることができます。

①形態別分類

材料費:製品を製造するのにかかった材料や素材などの費用

労務:製品を製造するのにかかった賃金や給料などの人件費

経 費:材料費や労務費以外の諸経費(水道光熱費や燃料費など)

②製品との関連による分類

製造直接費:特定の製品を作るのにかかった費用が直接的に判明するもの

製造間接費:さまざまな製品に共通してかかる費用で、各製品にどれだけ使ったのかが具体的に判明しないもの

その他2級で学習する項目には「機能別分類」と「操業度との関連による分類」がありますが、これはそれぞれ、費目別計算、標準原価計算のときに説明します。

①と②を組み合わせると、それぞれ分類は以下のとおりになります。

製造直接費:直接材料費、直接労務費、直接経費

製造間接費:間接材料費、間接労務費、間接経費

工業簿記の流れ

まずは、材料費・労務費・経費がどのぐらいかかったのかを計算します。これを費目別計算と言います。形態別分類に対応した計算です。

次に材料費・労務費・経費を製造直接費と製造間接費に振り分けていきます。このとき、製造直接費に関しては、完成途中を意味する仕掛品(資産)という勘定科目を使用します。そして、製造間接費については、製造間接費(費用)を使用します。

最初の回にも言いましたが、工業簿記では、頻繁に費用でも平気で貸方に仕訳します。なので、商業簿記ほど資産・負債・収益・費用を意識する必要はありません。

 そして、製造間接費は、決まった割合に応じて各製品に振り分けていきます。このときの仕訳は、製造間接費(費用)から仕掛品(資産)に振り替えます。これを製造間接費の配賦といいます。

こう考えると、結局材料費も最終的に仕掛品にいくのでは意味がないのではと考えてしまいそうですが、全体的にそうでも、製品各別に振り分けているということに原価計算の意味合いがあるのです。

次に、仕掛品(資産)が完成するとやっと製品(資産)として振り替えることになります。

最終的に、製品(資産)が小売店や卸売店に販売されると売上原価(費用)として計上することとなります。 まるで出世魚のように名前を変えていきますので、それぞれの名称の確認をここでしっかり身につけておくようにしましょう。

 

文章だけではわかりにくいので、過去にポリテク学習会で使用していたテキストを抜粋して公開します。参考にしてみてください。

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商品売買その5~割戻し~

2019年3月までは、傷んだ商品が混じっているときに対応する値引きという項目と掛代金を予定より早期に支払った分の利息分を差し引く割引きという項目がありましたが、削除となりました。最近の世の中では、傷んだ商品や傷モノがあると返品対象となるからです。

 

2022年4月から、割戻しの論点のみとなりました。(2022年12月更新済み)

商品の割戻し

割戻しとは、商品を大量に購入することで、あらかじめ取り決めた分だけリベートとして、売上金額の減額や返金をすることをいいます。

 

商品を売り上げたとき

商品を売り上げた際に売上割戻しが予想される場合には、あらかじめ約束をしていた割戻し額(リベート)は返金負債(負債)で処理し、割戻し額を差し引いた金額は売上(収益)で計上します。

 

【前提条件】

ジュピター製作所(会計年度4月1日~3月31日)は、マーズ文具店にA時計(@2,000円)を販売しており、期末までに1,000個以上販売したときは、1個当たりの価格をさかのぼって@1,800円に減額するという契約を締結している。なお、当社はマーズ文具店に対する当期の販売個数を1,200個で見積もっている。

 

例)4月20日に、A時計を150個販売し、代金は現金で受け取った。

 

 販売金額:@2,000円×150個=300,000円

 予想される割戻しの金額:(@2,000円-@1,800円)×150個=30,000円

 売上金額:300,000円-30,000円=270,000円

 

*仕訳*

(現金)300,000/(返金負債)30,000

        /(売上)270,000

 

割戻金を支払ったとき

割戻しの要件が達成され、リベートを支払ったときは、返金負債(負債)を減少させます。

 

例)3月15日に、A時計を200個販売し、代金は現金で受け取った。なお、この取引により当期の販売個数が1,000個に達したので、割戻しを行い、現金で支払った。

 

まずは、今回の取引について普通通り仕訳をします。

 

販売金額:@2,000円×200個=400,000円

予想される割戻しの金額:(@2,000円-@1,800円)×200個=40,000円

売上金額:400,000円-40,000円=360,000円

 

*仕訳*

(現金)400,000/(返金負債)40,000

        /(売上)360,000

 

そして、今までの販売個数に対するリベート額は返金負債(負債)で計上していますので、その分を減らします。

 

返金負債:(@2,000円-@1,800円)×1,000個=200,000円

 

*仕訳*

(返金負債)200,000/(現金)200,000

割戻しが適用されなかったとき

割戻しが適用されなかったときは、今まで計上していた返金負債(負債)を売上(収益)に振り替えます。

 

例)ジュピター製作所は、売上のリベートとして返金負債20,000円を計上していたが、当期末までに割戻しが適用される販売個数に達しなかったため、適切な勘定科目に振り替える。

 

*仕訳*

(返金負債)20,000/(売上)20,000

 

別パターンとして

先ほどは最初から割戻しを想定して仕訳をしましたが、最初に割戻しを想定していなかったが、割戻しを達成した場合も説明します。なお、【前提条件】は見積りを900個とし、それ以外は同条件とします。

商品を売り上げたとき

例)4月20日に、A時計を150個販売し、代金は現金で受け取った。

 

今回は、達成見込み無しとして考えていますので、リベート額関係なく普通の取引で仕訳をします。

 

販売金額:@2,000円×150個=300,000円

 

*仕訳*

(現金)300,000/(売上)300,000

割戻金を支払ったとき

例)3月15日に、A時計を200個販売し、代金は現金で受け取った。なお、この取引により当期の販売個数が1,000個に達したので、割戻しを行い、現金で支払った。

 

今回の売上金額から、今までに計上すべきであった返金負債(負債)を計算し、その分を差し引いて売上(収益)に計上します。

 

販売金額:@2,000円×200個=400,000円

今までの割戻しの金額:(@2,000円-@1,800円)×1,000個=200,000円

売上金額:400,000円-200,000円=200,000円

 

*仕訳*

(現金)400,000/(返金負債)200,000

        /(売上)200,000

 

工業簿記とは?

2級では、大きく分けて商業簿記が3問(60点)、工業簿記(40点)が2問出題されます。そして、工業簿記は比較的満点近くを狙うことができるので、合否の分かれ目となります。

 

商業簿記は、商品売買業(お店や会社)を目的とした簿記でした。そして、工業簿記は、製造業(工場)を目的とした簿記となります。

また、工場の製造過程を簿記を使って管理するものなので、商業簿記と同じように考えては、混乱する元となります。簿記というシステムを使っているだけなので、商業簿記で行った費用の発生は借方という概念はなくなります。総合的に増えたときが借方減ったときが貸方という考え方になりますので、全く新しい勉強をすると思って取り組みましょう。

 

そして工業簿記で必要なのは、「按分」という考え方です。按分とは、簡単にいうと比例配分のことで、基礎となる数値の割合に応じて割り振る方法をいいます。

似たような言葉に「等分」がありますが、これは割合などに関係なく等しく割り振る方法をいいます。

例えばケーキを切り分ける場面があったとして…兄弟は仲良く3等分、親子は1:2の割合で子供に多めにしてあげる、みたいな感じですね。

何気に「基礎となる数値」に色で強調させていただきましたが、この基礎となる数値を計算することも大事なので、心に留めておいてください。ちなみに152回でも、その基礎となる数値を間違って失点するケースが見受けられました。

 

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 そして、工業簿記にはもう一つ原価計算と言う目的があります。原価計算とは、その製品の製造にかかった費用を決まった方法によって計算することをいいます。

普段、手に取る商品もどのように値段が付けられているのか考えたことはありますか?売り値を決定するのに、原価がいくらかかっているかを考えるのは大切なことです。できたばかりの新品の原価が100円なのに50円で売ってしまう人はいませんよね。

商品売買業なら、他から仕入れてくるので、その値段が原価ということで簡単に把握できるのですが、自分から製造を手掛けている場合は、簡単にいくらか判断できるわけではありません。そこには、材料費や人件費などさまざまな経費もかかっています。それを製品ごとに計算してはじめて原価がわかるのです。

あ、それと商業簿記では商品という言葉、工業簿記では製品という言葉を使います。自分のところで製造から販売までやっている場所でも、工場内部にあるうちは製品で、家電量販店でお客さまにお目見えする頃には商品という名に変わっています。

工場にいる作業員は、そのモノを「わが社の製品」を呼び、ショップの店員は、そのモノを「わが社の商品」と呼んでいます。

 

この工場の流れを簿記で示して管理していく狭い意味での工業簿記と、製品の製造原価を計算する原価計算の二つがそろって工業簿記の概念となります。

※余談ですが、1級では、工業簿記と原価計算は別々の科目となっています。

 

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