ポリテク火星出張所!

商業高校あがりの行政書士が日商簿記をはじめとして資格支援のためにブログを書いています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

相当の対価を得てした財産の処分行為についての詐害行為取消権

前回は債権者代位権をお話ししました。以前は債権者取消権といわれていたセットもの詐害行為取消権が今回のテーマです。 Aさんは、友人のBさんにお金を貸しました。背景は、大体似たような感じですが、今度は初めからAさんのいやがらせをする目的でCさん…

製造間接費(費目別計算)その3~原価差異分析(固定予算)~

前回、製造間接費配賦差異について触れました。そもそも、これって何の原因で差異が生まれたのでしょうか? 商業簿記は、財務会計の枠内に入っており、株主や債権者などの利害関係人(ステークホルダー)への外部報告のために会社の通知表たる成績を公表しま…

手形取引その3~商品以外の用途で手形を使用する場合・手形の更改~

商品以外の用途で手形を使用する場合 有価証券や固定資産など商品以外の用途で手形を使用した場合には、営業外受取手形(資産)や営業外支払手形(負債)のように、頭に「営業外」をつけます。 試験では、単に受取手形や支払手形としてしまって、誤答になっ…

製造間接費(費目別計算)その2~予定配賦率の適用~

材料費や労務費でも予定価格や予定賃率が出てきました。製造間接費についても、その工場の配賦基準によって予定配賦率を使って、業務作業の効率化を図っています。 予定配賦率で、よく登場するのが基準操業度という数字です。基準操業度とは、1年間にかかる…

有価証券の評価その5~有価証券の評価②~

今回は、残りの関連会社株式とその他有価証券を見ていきます。 子会社株式・関連会社株式 まずは、この2つの違いについて確認していきましょう。 子会社株式とは、親子関係を形成するために、議決権50%超の株式を取得するものです。50%超の株式を取得する…

製造間接費(費目別計算)その1~製造間接費の配賦~

今まで材料費、労務費、経費の3つを見てきました。今回は、その中で間接材料費、間接労務費、間接経費が送られてきた場所「製造間接費(費用)」について説明していきます。 直接費については、それぞれ材料費・労務費・経費から仕掛品を通じて、各製品に振…

有価証券その4~有価証券の評価①~

3級では決算時の処理をまとめて解説しましたが、2級では個別にその都度解説していきます。 そして今回は、有価証券についての決算時の処理です。売買目的有価証券、満期保有目的債券、子会社株式・関連会社株式、その他有価証券でそれぞれ処理が違います。 …

その勘定科目、大丈夫ですか?

個人事業主でありながら、営業もやって経理もやらなければならないひとり事業主は大変です。 やはり簿記3級の知識ぐらいは備えておいた方がよいでしょう。特に経理をする上で、勘定科目は大事なものです。今回は、注意すべき点について触れていきます。 毎回…

経費(費目別計算)

今回は、費目別計算の3つ目経費に関して解説していきます。 経費の分類 経費とは、材料費と労務費以外の費用をいいます。経費もまた、以下の区分によって分類されます。 ①支払経費 ②月割経費 ③測定経費 ④発生経費 ①支払経費 その月に支払った金額を消費額と…

有価証券その3~有価証券の売却など②~

今回は、有価証券の売却についてです。株式などの有価証券については、上場企業であれば東京株式市場において、常に値動きしています。 そのため、購入時の単価と売却時の単価は異なります、売り値が上がれば、利益を得ることができます。逆に売り値が下がれ…

民法改正その7~契約不適合担保責任~

マイホームの購入は、一個人にとっては人生最大の買い物です。その家に住み始めた以降に欠陥に気づいたときは、どうすればいいのでしょうか? 普通に考えれば、修理をしてもらうのですが、最初の契約で何年かは無料で修理してくれるところもあります。ただ、…

労務費(費目別計算)その2~予定賃率~

材料費のところで予定消費単価のお話をしましたが、労務費についても人件費予算を立てている企業や工場がほとんどだと思います。 polytech-mk.hatenablog.com 年度初めに1年分の人件費予算を立てておいて、年間作業時間で割ると単価が出てきます。このときの…

青色申告について

開業するには、税務署に「開業届」(個人事業主については「個人事業の開業・廃業等届出書」、法人については「法人設立届出書」)を提出しなければなりません。 それに伴って、いわゆる青色申告特別控除を受けたい方は、開業後2カ月以内に「所得税の青色申…

有価証券その2~有価証券の売却など①~

前回は有価証券の購入をお話ししましたので、今回保有時の配当や利息の処理を解説していきます。 配当金受取時の処理 株式を保有していると決算時期に年1回ないし年2回配当金が送られてくる場合があります。いわゆる株主になっていると株主優待を受けられ…

会計ソフトの扱う上での注意点について

個人事業主の間ではクラウドタイプやソフトウェアタイプの会計ソフトが普及しています。これは、簿記の知識がなくても入力が簡単なので、その日に利用することができる優れモノです。 あとは勘定科目の区分の本を1冊買ってしまえば、そのまま決算書作成まで…

労務費(費目別計算)その1~労務費の分類と基本的な仕訳~

今回は、費目別計算の2つ目労務費に関して解説していきます。 労務費の分類 労務費とは、工場で働く従業員(工員)に対してかかる賃金や給料のことをいいます。労務費は、以下の区分によって分類されます。 ①賃金 ②給料 ③従業員賞与手当 ④退職給付費用 ⑤法…

有価証券その1~有価証券の購入~

有価証券とは、株式、債券、手形、小切手などの財産価値のある証券をいいます。簿記2級においての有価証券としては、4種類あります。 ①売買目的有価証券 安いときに買って、高いときに売るという売買をすることによって、利ざやを得て儲けるための株式や債…

材料費(費目別計算)その4~予定消費単価~

材料費の最後です。いままでは、実際の購入単価を用いて計算していました。ところが、毎回の購入単価は一定のものではなく、時価によって変動するものです。そのため、総平均法で計算をしていると、月末まで消費した金額を確定させることはできず、それまで…

当座預金その4~銀行勘定調整表②~

前回に引き続き、銀行勘定調整表の後半です。今回は企業側の処理になるので、仕訳を伴います。 ④入金(出金)連絡未通知 売掛金などの回収のために入金があったり、水道光熱費などの引き落としがあって、預金口座残高の変動の連絡がきていない状態のことです…

決算書について

弊事務所では、個人事業主や小規模の会社向けに会計記帳の代行とコンサルティングを行っています。 会計記帳というと最終的には確定申告をするための書類に関連してくるのですが、確定申告については税理士業務であるため、手を出せないので、提携先の税理士…

材料費(費目別計算)その3~棚卸減耗費の発生~

商業簿記で棚卸減耗損と商品評価損の話をしましたが、工業簿記でも月末の棚卸の結果、き損や紛失で在庫が合わないときがあります。この場合は、棚卸減耗費となります。商業簿記では、棚卸減耗損だったので、間違わないようにしましょう。 また、棚卸減耗費は…

当座預金その3~銀行勘定調整表①~

銀行勘定調整表とは、月末や決算期に銀行から当座預金の残高証明書を取り寄せ、これと帳簿残高が一致しているかを調整するために作成する表をいいます。 作成方法は、両者区分調整法、企業残高基準法、銀行残高基準法があります。企業残高基準法は、企業側の…

材料費(費目別計算)その2~材料費の計算~

商業簿記で商品の払出単価の説明をしました。今回は、工業簿記編です。 polytech-mk.hatenablog.com 商業簿記では、先入先出法と移動平均法を解説しました。工業簿記では、先入先出法と平均法があります。 また、商業簿記では、商品在高帳の作成で出てくる論…

サービス業

商品売買と違って、学習塾や美容院などのサービス業は、形のないものを提供して収益を得ています。このサービスのことを役務といいます。 今回は、サービス業の取引についてみていきます。 サービス提供に先立って前金を受け取った場合 手付金や前金などの名…

材料費(費目別計算)その1~材料費の分類と基本的な仕訳~

今回は、費目別計算と呼ばれるカテゴリーの中の材料費に関して解説していきます。 材料費の分類 材料費とは、購入した材料のうち製造のために消費した費用をいいます。材料費は、以下の区分によって分類されます。 ①主要材料費(素材費、原料費) ②買入部品…

商品売買その6~棚卸減耗損と商品評価損~

今回は、商品売買における決算整理事項の内容です。3級では「仕・繰・繰・仕」という仕訳をしましたが、2級では損益計算書の表示方法(勘定式から報告式へ)が変わるため、本試験でこの仕訳をすると逆に混乱してしまう場面が出てきます。 精算表の作成をする…

原価の分類と工業簿記の流れ

今回は、原価計算の基礎について説明していきます。 原価の分類 原価とは、製造にかかった費用(製造費用)のことをいいますが、製品を販売するためにかかった費用(販売費)や会社や工場を管理するためにかかった費用(一般管理費)についても含まれます。…

商品売買その5~割戻し~

2019年3月までは、傷んだ商品が混じっているときに対応する値引きという項目と掛代金を予定より早期に支払った分の利息分を差し引く割引きという項目がありましたが、削除となりました。最近の世の中では、傷んだ商品や傷モノがあると返品対象となるか…

工業簿記とは?

2級では、大きく分けて商業簿記が3問(60点)、工業簿記(40点)が2問出題されます。そして、工業簿記は比較的満点近くを狙うことができるので、合否の分かれ目となります。 商業簿記は、商品売買業(お店や会社)を目的とした簿記でした。そして、工業簿記…

商品売買その4~売上原価対立法~

今日からは、2級の範囲となります。3級では、分記法と三分法を学習しましたが、2級では新たに売上原価対立法が出題されます。 売上原価対立法という文言が難しいのか、問題では「そのつど売上原価に計上する方法」というように表記されています。 3級では、…